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平成12年第4回定例会−11月09日-02号

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  1. 台東区議会 2000-11-09
    平成12年第4回定例会−11月09日-02号


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    平成12年第4回定例会−11月09日-02号平成12年第4回定例会 平成十二年 第四回定例会 東京都台東区議会会議録(第十四号) ●十 一月 九 日(木)                    (以下敬称略) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 出席議員 (三十四名)      一  番  鈴 木   茂    二  番  大和田   功      三  番  鈴 木 昭 司    四  番  中 山 寛 進      五  番  堀 越 秀 生    六  番  河 野 純之佐      七  番  青 柳 雅 之    八  番  池 田 清 江      九  番  伊 藤 友 子    十  番  稲 垣 晃 司      十 一番  高 柳 良 夫    十 二番  実 川 利 隆      十 三番  寺 井 康 芳    十 四番  水 島 道 徳      十 五番  関 根 博 之    十 六番  伊 藤 萬太郎      十 七番  熊 木 壽 夫    十 八番  清 水 恒一郎      十 九番  杉 山 全 良    二 十番  杉 山 光 男      二十一番  金 田   功    二十二番  田 口 治 喜      二十三番  堀 江 達 也    二十四番  木 下 悦 希      二十五番  田 中 伸 宏    二十六番  池 田 富 保
         二十七番  藤 平 一 雄    二十八番  足 立 守 夫      二十九番  小 玉 高 毅    三 十番  茂 木 孝 孔      三十一番  伊 藤 征 輝    三十二番  飯 田 つね子      三十三番  木 村   肇    三十四番  大 場 功 一 欠席議員  な し 欠  員  な し ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 出席説明員      区 長      飯 村 恵 一   助 役     岩 丸 昌 司      収入役      浅 津   勲   教育長     隈 部   孟      企画財政部長   瀬 崎 昌 美   総務部長    野 口 克 宏      区民部長     野田沢 忠 治   産業部長    小 林 一 夫                         福祉サービス推進担当部長      保健福祉部長   大 倉 慶 子           浅 海 尚 史      環境清掃部長   神 子 雅 行   都市づくり部長 遠 山 伸 一                         教育委員会事務局次長      建築住宅部長   鈴 木 幸 雄           小 谷   暹      財政課長     岩 崎 政 行   総務課長    新 井 幸 久 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 区議会事務局      事務局長     野 尻 金 治   事務局次長   光 安 孝 志      議事係長     朝 倉 義 人   書 記     西 住 聡 志      書 記      林 田 宗 久   書 記     塚 田 正 和 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 議事日程 日程第 一   第九十九号議案 東京都台東区役所出張所設置条例の一部を改正する条例 日程第 二   第 百 号議案 東京都台東区立区民館条例の一部を改正する条例 日程第 三   一般質問 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――   午後二時三分開議 ○議長(田口治喜 さん) ただいまから本日の会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。  会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員については、会議規則第百二十八条の規定により、     十 四番  水 島 道 徳 さん     十 五番  関 根 博 之 さん をご指名いたします。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(田口治喜 さん) 事務局長に諸般の報告をさせます。  なお、報告については、既に書類をもって送付いたしておりますので、内容等についての朗読は省略いたします。  事務局長。   (野尻事務局長報告) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(田口治喜 さん) これより日程に入ります。  日程第一及び第二を一括して議題といたします。   (野尻事務局長朗読) △日程第一 第九十九号議案 東京都台東区役所出張所設置条例の一部を改正する条例外一件 ○議長(田口治喜 さん) 本案について、提案理由の説明を求めます。  番外助役。   (番外助役岩丸昌司さん登壇) ◎助役(岩丸昌司 さん) ただいま上程されました第九十九号議案及び第百号議案の二議案につきまして、一括して提案理由のご説明を申し上げます。  これら二議案は、いずれも条例の一部改正に関するものでございます。  まず、第九十九号議案は、竹町出張所の名称及び位置を改めるものでございます。  次に、第百号議案は、竹町区民館の名称及び位置を改めるもの等でございます。  以上二議案につきましては、よろしくご審議の上、いずれも可決賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(田口治喜 さん) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。  おはかりいたします。  ただいま議題となっております日程第一及び第二は、いずれも区民文教委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(田口治喜 さん) ご異議ないと認めます。よって、日程第一及び第二は、いずれも区民文教委員会に付託することに決定いたしました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― △日程第三 一般質問 ○議長(田口治喜 さん) 日程第三、一般質問を行います。  一般質問の発言通告がありますから、順次これを許可いたします。  一番鈴木茂さん。   (一番鈴木 茂さん登壇)(拍手) ◆一番(鈴木茂 さん) 区議会自民党の鈴木茂でございます。区議会自民党の持ち時間四十四分、ただいまより自民党を代表して質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  まず、我が会派の質問は、基本としまして各部会、といいますのは、保健福祉部会、文教部会、環境部会そして産業部会等の九つの部会がございまして、その部会で検討してきたものにつきまして、福祉関係や医療関係の現場に携わっている方々に直接意見を聞きました。また、それぞれの専門の学者の意見、またジャーナリストやそれからNPOの代表等、それぞれ専門家の意見をお聞きしまして、会派の総意としまして、きょう質問申し上げるものでありまして、それをあらかじめ区長さんに申し上げておきます。  したがいまして、「自民党」の質問でございまして、「自分党」の質問ではございません。区長におかれましては、問題意識を整理して、自分の言葉で的確に表現して説明をお願いいたします。  では、質問に移らせていただきます。  我が会派の質問は、先ほど申し上げましたように、単なる区長さんに対する要求ではなく、住民参加型の福祉社会の実現を目指しての提案を原則にしております。申し上げておきます。  したがって、これからの私の質問は、その線に沿っておりますので、どうぞ単に要求、補助金をください、助成金をお願いしますという質問ではないことをつけ加えておきます。  第一の質問は、財政の健全推進計画についての取り組み状況についてお尋ねいたします。  去る十月二十五日の企画総務委員会において、財政健全推進計画取り組み状況に対して、一、補助金の見直し、二、受益者負担の見直し、三、区有財産の有効活用についてという三部門からの報告がございました。  ことし三月の予算委員会では、たしか六つの検討委員会が設置され、ところが、あとの三つの部会、具体的には、昨年決算委員会で大きく取り上げられました業務委託の見直しや公共施設の配置の見直し、そして財源の確保については報告がありませんでした。当然、九月の中間報告以後、具体的な手だてについては検討されているのでしょうから、今回なぜ報告されなかったのか。その理由についてお尋ねいたします。  次に、十三年度補助金は一律一五パーセント縮小するという提案についてお尋ねいたします。  この提案は、時間的な制約もあって、緊急避難的な提案だという意味で、我が党は与党として基本的には同意いたしました。ただ、それはあくまでも未曾有の財政難のため、「補助金の縮小に聖域はない」という意味であり、「原則として」というただし書きつきであります。第一、幾ら同意したとはいえ、なぜ一律なのかということについて、区民の理解を得られるような説明が必要なことは、改めて述べるまでもないはずです。  区民の間には、「財源不足の折、補助金の縮小は理解できる。しかし、区民サービスにつながるボランティア団体と常に汗を流している団体と、そうではない団体に対する補助金も同じに扱っていいのか」という素朴な疑問がございます。しかも、この一律縮小あるいは一律配分は、一見公平のように見えて、本当の意味では不公平な考え方ではないでしょうか。行政評価を踏まえての財政再建に取り組んでという時代の流れに逆行するものではないでしょうか。  あえて厳しいことを言わせていただければ、一律でおやりになるというなら、全く従来の手法とは変わりません。知恵も要らなければ政策も要りません。だれがトップでもいいわけです。しかし、それでは行政としての機能を十分に発揮しているとは言えないのではないでしょうか。行政は優先順位をつけるという立場にあります。だからこそ、行政運営の苦労がある。その苦労を放棄してしまっては困ります。  この言葉、「一律ということは、知恵も要らなければ政策も要らない」というのは、飯村区長さんがかつて都議会の政務調査会長としてらつ腕を振るっているとき、演説の中にありました。「優先順位をつけないというなら、だれだってできる」と。これは区長のかつての名言であります。それをそのまま区長さんにお返しいたします。  それに、優先順位をつける資料として、事務事業評価シートを導入なさったのではないでしょうか。昨年から導入なさった事務事業評価シートは、実際どのように活用されたのでしょうか。  この事務事業評価シートというのは、行政評価の一環として、住民にとって最も知りたいというのは、行政改革の効果が上がったかであり、言いかえれば、どれだけ予算を投入し何をしたかではなく、どんな効果があったかと、なぜ必要かという評価であります。その評価のための事務事業シートというのを、各課に七月にたしかお配りしてあるはずなんです。それをたしか八月の終わりまでには企画の方に集めてあると。集めたものを、普通ならば、もう一度赤線を入れまして各課にお返しして、またそれをとってヒアリングするなり、行ったり来たりして、そこで評価をしていくわけであります。そのことによって、財政健全への展望が開かれるであろうし、役人の皆さんの意識改革がなされていくわけだと。それをなくして、行政改革または財政健全推進がこれから発展するはずがないと私は思っております。  じゃ、そのヒアリングをしてないと。それは時間的な余裕がないと、それだけでは済まされません。職員の意識改革が何よりも大切だといろいろな会派から指摘されている折、なぜやらなかったのかと。行政評価シート活用と補助金一律一五パーセント縮小の関係について、納得できる説明を、区長さん、あなたがかつてそういうことを言ったんですから、ここでわかるように説明していただきたい。  大変厳しいことばかり申し上げましたが、うれしいニュースもございます。  去る二十五日に、我が会派の議員総会の席上で、保健福祉委員会所属の議員から、笑顔で大変うれしそうに、「役所もよく頑張っている。きょうの保健福祉委員会で、子育て支援課長が、「学童保育で下谷こどもクラブが希望者全員受け入れることができず、待機者が出ている。そこで、下谷第二こどもクラブを増設したい。その運営に当たっては、民間委託を考えている。委託先は学校法人や福祉法人にしたい」と発言があった。よくやっている」という報告がございました。  そこで、我が会派の方で試算してみました。これは人件費だけですから、そう難しい試算じゃないんです。学童クラブの試算をしたところ、三十名が今度新しく民託すると、指導員が常勤が二名、非常勤が一名とする予定だそうですので、人件費を含めて年間で約一千万円という計算が出ました。ちなみに、現在社会福祉事業団に委託しているんです。そうすると千五百万円になるわけです。一千万円と千五百万円。ですから、もし仮に、現在の学童クラブの児童数四百六十二名いますから、三十名で五百万の節減ということは、四百六十二名ですと約十五倍ですから、五百万円の十五倍となりますと、七千五百万円ここで一年間節約できるわけです。なかなかよくやったなと。課長さんのお名前も、ことし来たばかりでわかっておりませんけれども、やればその気になるんだという証明になるんじゃないかと思っております。  この学童クラブ、昭和四十一年にスタートして、ことしで三十四年になりますが、我が党が主張している民間委託を初めて第一歩を踏み出したわけであります。我が会派が提案し続けてきたこの民間委託、役所がその気になれば、そして知恵を出せば、改革できるよい例ではないかと思います。私はこの提案を高く評価してまいりたいと思っております。  そして、ついでにお聞きしますが、二長町の第五特養ホームを今度民託になさると発表されておりますが、そこでも私どもが計算したような方法で、これ学童クラブは人件費ですから、簡単に計算できたんですけれども、特養はそうはいきませんので、区長、どのくらい特養の方ではメリットがあるのか、具体的に示した上で、お考えをお聞かせいただければと思っております。よろしくお願いいたします。  次の質問は、積極的な参加に努める区民と行政の連携についてであります。  第二回定例会において、我が会派が質問しましたNPOについて、再度質問させていただきます。  前回、市民参加型社会への移行のきっかけをつくるものとして、区長のNPOへの考えをお聞きしました。そして、その積極的な活用について、我が党から提案をさせていただきました。  これまでのボランティア団体などは、民間非営利組織、いわゆるNPOは継続性、安定性に欠ける傾向があるところから、たとえ先駆的、個別的な活動を行っていても、行政と対等な関係で事業を行うということが困難であったと指摘されております。  それでも一九九八年十二月に始まった特定非営利活動促進法通称NPO法に基づく申請により、法人格を持ち、社会的認知を得ることができたNPO、NPO法人は、組織の基盤がしっかりとし、事業を経営、継続する力がついてきたようであります。しかしながら、NPOに関する調査では、現在でも多くが資金、活動拠点、人材、情報の不足など、さまざまな課題を抱えているのが実情であります。  行政にとって新たなパートナーとなる可能性を秘めたNPOやNPO法人が、自立した立場から継続的なサービスを行っていくためには、NPO法を補完する自治体の連携・支援策が必要となってくるのではないかと考えます。  十月の区民文教委員会の視察先の一つ箕面市では、箕面版NPO条例として「非営利公益市民活動促進条例」を制定しました。この条例でいう「非営利公益市民活動」とは、「市民が市の区域内において自発的かつ自立的に行う営利を目的としない社会貢献活動」を指しております。そして、その活動団体は、まさに箕面版NPOと呼べるものであり、第九条には、「市は公共サービスの実施主体として、その事業の実施に当たっては、非営利公益市民活動団体の参入機会の提供に努めるものとする」とうたわれております。ぜひ我が区も参考にしたいものであります。  要するに、この箕面市では、自己の責任と役割を自覚し、積極的な参加に努める市民と行政との連携に向けた施策を具体化しているわけであります。  もう一つの視察先、宝塚市では、市のコミュニティ施設の運営を「まちづくり協議会」という住民主体の新しい民主的、開放的なコミュニティ、これもNPOととらえられるでしょうが、その「まちづくり協議会」に無料で委託し、施設の利用料金の収益を協議会運営の資金にしてもらう計画があるそうです。これをひとつ、試行したところによると、現在の直営でやっている場合の約六割でできるという。また、市民の方々も大変、自己決定、自己責任という意味で喜んでいるという報告がありました。  また、鎌倉では、市の設置した「市民活動センター」の運営管理をNPO法人に委託しています。そのほかにも、宮崎で設置した図書館、三重県では市民活動情報ネットワークの事業を、広島では在日外国人を支援する相談員やボランティアの養成講座をNPOに委託しております。このように全国的にNPOと自治体との連携が進み始めております。  しかも、そういう連携により市民活動を活性化し、しかも結果として自治体のスリム化、すなわち「小さな政府」を目指す行政運営が可能になるのではないかと考えております。例えば公園でございますが、区が直接公園を管理しているより、住民団体にお預けした方が、住民の方も自由に使えると。また、経費も極めて安いという指摘がございます。  さて、そこでNPOの育成を自治体がどのように支援しているか調べてみました。沖縄、那覇では「NPO活動支援基金」を設立しています。長崎では、NPOとボランティア専任ポストを新設しております。会議室や作業所など、活動の拠点や情報の提供などを支援しております。お金は支援しておりませんが、そういう場面での支援がありました。杉並では、介護保険事業に参入するNPOに無利子で資金を貸し付けておりました。神戸では、廃校となった小学校の校舎の一角を、NPOやボランティア活動の場として提供しておりました。
     さて、地方制度調査会が十月十九日にまとめた答申の中に、「地方自治体は適切な役割分担という観点から、非営利組織(NPO)と連携強化を図るべき」と述べています。自治体の事業の中で、市民の自己決定、自己責任にゆだねることのできる部分については、NPOと連携することが区の将来のために得策であると提案している我が党としては、非常に意を強くしているところであります。区長さん、どうお考えになりますか、お答えをお聞かせください。  第二回定例会では、「幅広いNPOの活動が活発化している。NPOの育成や支援については、情報や活動の場の提供などを含め、今後検討していきたい」とお答えいただきましたが、当然検討なさっているはずだと思います。実施部門はどこなのか、またNPOを支援するNPOの育成などを含めて、進捗状況をお聞かせください。  次に、産業振興政策についてお尋ねいたします。  前回の議会で、自民党はITについて質問させていただきましたが、それに引き続き、ITに関して産業振興政策に関して質問させていただきます。  一時ほどの勢いはなくなったとはいえ、それでもIT関連産業に牽引される形で、アメリカの経済力は旺盛であります。一方、バブルの影を引きずる日本は、対照的に青息吐息の状態で、長期不況からなかなか抜け出せていません。我が国を見習えとまで豪語していた日本が、残念ながらアメリカのIT産業に範を求めざるを得なくなってしまったのであります。そして、だからこそ何を範とすべきかが大切であろうと考えます。  それはある外国系企業の経営者の次の言葉に示唆されると思っております。読ませていただきます。「アメリカの経済の生産性改善は、単にIT化によって達成されたわけではない。すさまじい産業の淘汰と再生、企業間の徹底した優勝劣敗がたゆみなく繰り返されている結果である。古い産業構造を温存したままでも、IT化さえ進めば生産性が改善されるというのは、明らかに妄想であり矛盾である」という指摘であります。  つまり、我々に必要なのは、そういう厳しい淘汰の中で生き残ろうとする努力なのであります。そして、だからこそ時代の変化に対応しにくい業種の転換、すなわち産業構造を変えていくことさえも視野に入れていかなければならないものと考えます。  ただ、それはわかっていながら、現実に構造転換はなかなか進みません。それは、一たん企業が倒産すると新たな創業が難しく、業種の転換は至難だからであります。そういう中では、どうしても企業はおのずと現状維持の方向に向かいがちであります。  そこで、当然行政として区内で新しい企業を起こしやすくすることや、あるいはそういった製造業の人たちの技術を生かせる企業をふやすことが必要になると考えます。そのために、国や都とも連携して創業を支援することも、区の産業構造転換の一助になると私は考えますが、区としてはどのように創業支援をなさっているのか、その取り組みについて質問に移ります。  どんなものにも影と光の部分があります。これは前回若手の議員が質問したことでありますが、この光と影の部分という質問の仕方、私は大変センスがいいと、普通はどちらか一方に当たりますが、バランスをとった質問の仕方だと思っております。私もそれに合わせまして、光と影について質問を合わせます。  光の部分は成功企業の誕生であります。ビットバレーと呼ばれる渋谷の周辺のソフトウェア関連ベンチャー企業など、昨今の成長産業の多くはIT関連企業であります。都も秋葉原の都有地を利用して、IT産業の世界拠点を構築するプランを立てているそうであります。  もちろん台東区でも、秋葉原方面を中心とした区の南部地域を想定して、大江戸情報タウン「TAITO」を目指しているとのことであります。そして、有識者で推進協議会を構成し、有意義な論議を行っていると伺っております。  しかし、SOHOやベンチャー企業が台東区に魅力を感じ、集まりとどまるためには、さらに多くの条件が必要であります。例えば、ベンチャーを創業するには、既に指摘されているベンチャーキャピタルだけの問題なのではありません。技術や製品の市場の現状と今後の可能性の調査、連携できる企業の紹介、製品化計画、経営上の問題解決のコンサルティングなどの支援が不可欠であります。  また、創業の場の支援としても、賃料補助に加えて、コンピューター等の事務機器のほか、情報の提供も重要なインキュベーター機能となります。さらにまた、関連企業が集まるメリットは、関係者が情報交換できることにこそあるのですから、当然交流できる場も必要となります。  もちろんこうした支援策の中には、台東区の手に余るものもあります。しかし、それでも創業の場づくりや情報の提供そして交流の場まで踏み込んだ支援がぜひ必要なことは、間違いありません。  そこで、当然東京都とも協力していく必要があります。過日、東京都は「秋葉原シリコンアレー構想(仮称)」を発表しました。それによりますと、再開発の中で、神田市場跡地を中心として一角にはっきりと線を引いておると聞いております。しかし、その線の周辺、例えば先日大和田議員が指摘しましたが、中央通りの西側一帯や蔵前橋通りの北側にこそ、IT関連産業の集積が進んでいるという現状であります。  しかし、蔵前橋通り北側は、この東京都の構想の中に含まれておりません。それでは区としては納得できないんじゃないか。東京都のシリコンアレー構想の中に、蔵前橋通りの北側の集積地が除外されているという現状を指摘しておきます。  なぜそうなのかと疑問を呈し、積極的に行動すべきじゃなかったかと。この点について、区長さんはどうお考えになりますか。  また、そこで提案ですが、都との連携ももちろん大切ですが、我が区独自の施策も考えたらいかがでしょうか。具体的には、学識経験者や有識者の方々による協議会とは別に、大江戸情報タウン「TAITO」とは別に、ベンチャー支援会社を含む、従来の企業家やベンチャー起業家はもちろん、さらにこれから起業しようとするベンチャー創業者が一堂に会する「IT関連産業推進会議」をおつくりになったらいかがでしょうか。  その中で情報交換、そしてそれはNPO組織にするのもいいでしょうし、その中で特にベンチャー支援会社の考え方などは、従来の補助金行政とは明らかに異なった行政の方向が見えてくるのではないかと思います。ベンチャー支援会社の代表にちょっとお聞きしました。若手の人たちを支援していくと。もちろん海のもの、山のものともわからないと。そういう人たちを支援する、資金を出すということは大変冒険であると。その人たちはお金もないと。じゃ、どうするかと。その人たちに株を発行させて支援していくんだと。ですから、こちらの見る目が必要だと。もし失敗すると、株はただの紙切れになってしまうと。そういう中で見る目が必要と。だから私たちは必死に努力しているんだと。そういう方々とぜひ連携をとってみてこそ、区の支援の体制の展望が見えてくるんじゃないかと思いますが、区長さんのお考えをお聞かせください。  さて、今度は影の部分について話を進めたいと思います。  台東区の産業集積の特色は、卸・小売業にあります。平成八年度の事業所統計でも、全事業所に占める卸・小売業の割合は五〇・二二パーセントで、二十三区内で際立っております。しかも、二番目に集積している業種である製造業を加えますと、この二種だけで、区の事業所の約七割を占めております。卸と小売業が区の事業所の七割を占めております。ということは、卸売と小売業と製造業の再生なくしては、区の発展はないということであります。  九月議会では、「IT化に伴う影の諸問題に対する区の対策は」という二人の議員の質問に対して、区長は経営相談や融資相談でというお答えに終始しておりました。しかし、それでは一般的な福祉政策に対するケアを中心としたものと何ら変わらないと、私には思えて仕方がありません。基本姿勢が違うんじゃないかと思います。それに、現実問題として、財政悪化の折、融資相談に乗ることができるだろうかという現実的な問題があります。  具体的に指摘申し上げます。近年のIT化の進展により、我が国でもインターネットなどの取引が増大し、いわゆるBtoB、BtoC、いわゆる企業から企業へ、また企業から消費者へということでありますが、配送や店舗を持たない製造業者が、宅配やコンビニ業を介して消費者との直接取引をするのですから、卸・小売業に大きな変化が生じてくることは当然の結果であります。とりわけ製造業と消費者との間を仲介してきた卸売業にとっては、中抜きと呼ばれる現象は死活問題でもあります。  つまり、経済成長の旗手として期待されているIT化が、業界にとっては逆に向かい風になってしまうのであります。アメリカでは書店のアマゾン・ドット・コム、自動車ではオートバイテルのように、インターネットを活用してのEコマースが有名ですが、日本でも既に大手の書店や自動車会社、電化製品会社が進出を始めています。  そういう状況の中では、従来のように卸売業も製造業と小売業との間に介在するだけではなく、もっと積極的に製造業と消費者を結びつけていく役割を担っていくことが大事になってきます。Eコマースという新しい知識やノウハウを身につけなければならないという課題はありますが、それでも多くの製造業とネットワークを持っているという強みが、そこでなら生きてくるのではないでしょうか。  卸売業者の再生のためには、相談窓口の設置やコンサルタント派遣業務等、何らかの施策を検討すべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  また、区の地場産業を中心とした製造業は、安い人件費を武器にした発展途上国からの輸入製品との競合において、大変苦戦を強いられております。しかし、区の地場産業には、匠の技があると考えれば、それを生かして付加価値の高い製品をつくることは、十分に可能なことと考えます。それをインターネットなど、IT化を利用して消費者から直接受注を受けるようにすれば、店舗や在庫が必要でなかったり、流通段階の経費を節減できるため、ある程度の価格の値下げが考えられます。もちろん企業間競争も厳しく、予断は許されませんが、大田区や墨田区の金型を中心としたNC旋盤業の人たちがつくったNCネットワークのように、インターネットで受注・発注し、頑張っている製造業者もおります。そこでは、これまでの集積地としての威力を発揮しております。分業、協業のメリットもネットワークで復活させております。  今後のIT化によって発展する可能性が高いのは製造業、というエコノミストの分析もあります。我々が相談しましたエコノミストも、台東区の現状についてそのような指摘をしておりました。製造業はこれから有望であるというご意見をお持ちでした。  行政でもこういうネットワークの構築の面での支援を考えていただきたいと思いますが、区長は製造業の振興についてどのようにお考えになりますか。区長のお考えをお聞かせください。  四番目は、介護保険についての質問であります。  本年十月一日、介護保険料の徴収が始まりましたが、その徴収状況はいかがでしょうか。  他の市町村では徴収免除の話も出ているそうですが、私は介護保険制度が共助(共に助ける)、公助(公の助け)を基本として構築されたことを考慮すれば、徴収は当然であると考えます。しかしその一方で、サービスの量や質が充実していなければ、保険料を払いたくないという意見の存在もあることもたしかであります。  そこで、このサービスの質や量について、どう把握なさっておられますか。  また、介護を社会で支える視点において、台東区において不足しているサービスは何か。特に施設サービス、中でも短期入所や通所サービスのおくれに対してどのように理解し、今後の対策をどのようにお考えですか。区長のお考えをお聞かせください。  次の質問に移ります。  介護保険は介護や社会的支援が必要な人々に対し、その人が能力に応じて自立した日常生活を営めるように、必要な保健医療サービス、福祉サービスを行うことを目的としております。そして、これらのサービスは、介護や支援を必要とする人々に対して、原則としてその人の能力に応じて、できる限り自宅で自立した日常生活を営むように配慮することが、最も大きな目標として掲げられております。この理念を理解しなければ、サービス提供は従来の措置制度の時代と何ら変わることなく、何ら改善されたことにはなりません。  介護を必要とされる多くの方々は、少なからず戦後、この台東区や東京の、そして日本の復興と繁栄に寄与された方々であります。その方々を温かくお世話することは、これからの時代を背負う人々に勇気を与えます。これが社会保障というものであると考えます。この点について、区長はどのように認識され、どのように行動し支援されるおつもりか、お考えをお聞かせください。  最後に、教育問題について教育長にお尋ねいたします。  平成十四年度から新指導要領に基づく教育、いわゆる「ゆとりの教育」の実施について、今、教育界を初め、経済界、政界など、さまざまな分野から批判の声が上がっております。  簡単に言えば、平成十四年度から完全学校五日制が始まりますが、小・中学校の教科内容の三割を減らすということは、現在ですら分数のできない大学生に代表される「学力低下」が問題になっているのに、一層の学力低下を招くではないかという指摘であります。  通産省の外郭団体で、平岩外四、元東電の会長さんで、現在理事長を務める、多数の大企業のトップが理事として名を連ねる財団法人「地球産業文化研究所」というところがありますが、そこで先月十三日に、行き過ぎたゆとりは子供のためにならないと、学力低下が心配だと指摘し、何と「新学習指導要領の全面中止」を緊急提案しました。  この研究所の依頼で、学力低下問題に取り組んでいる西村和雄京都大学教授によれば、先進国の中で、日本の中学校の授業時間が最も少ない。そして、今の中学生の勉強時間が、先進諸国の中では最も家庭の勉強時間が少ないと指摘しております。基礎を学んでこそ、学年が進んで理解が深まる。基礎教科の内容を減らせば、理解が下がるのは当然であると述べております。  また、先日、元大蔵省の財務官で「ミスター円」と呼ばれた榊原英資氏が、大島文部大臣に対して公開質問状を出しました。その辺の事情の中に、このままでは日本はだめになると。日本のかつての文化が崩壊すると指摘しております。しかも、榊原氏は、「ゆとり教育反対」の国民運動を起こすべきだとさえ述べております。  そこで、さらに注目すべきことは、この教育内容三割削減という答申をしたのは教育課程審議会という文部省の審議機関でありますが、その教育課程審議会でさえ、今、学力低下への危機感が生まれ、ゆとり教育のあり方をめぐって、白熱した論議が展開されていると聞いております。これは七月のある新聞の社説にも載っておりました。また、もっとすごいことには、現職の文部官僚、これが堂々とご自分の著書の中で反対論を述べている事実があります。全く異例としか言いようがありません。  一方、政党を見ましても、自民党の一部、公明党の政策担当者、保守党の政策担当者、自由党の担当者そして民主党の政策担当者が、「行き過ぎたゆとりの教育」に対して反対表明をなさっております。  戦後教育五十五年の歴史の中で、新指導要領の実施の前に、このように各界から大反対の声が上がったということは、前例のないことであります。  大体、新指導要領というのは、その時代の追認でありまして、もうその世論がこの方向がいいと納得したところで提案されておりますから、ほとんど問題なかった。しかし、今回このように各界から指摘されるということは、非常にゆゆしき事実であります。  我が台東区自民党は、学校教育に一定のゆとりは必要であるとは考えています。そして、文部省の「ゆとり路線」が、一時期の詰め込み教育や受験競争を緩和してきたという役割自体は否定しておりません。しかし、現在世界の各国は、国際競争力を高めるために、国を挙げて教育に力を入れていることは確かです。  アメリカを例にしますと、アメリカの教育改革は、我が国の教育をモデルにして改革をなし遂げ、今日の繁栄をもたらしています。ところが、現在の我が国は、皮肉なことに時代に逆行し、以前のアメリカの教育をモデルにし、教育改革を進めているようにすら感じられます。しかも新しい指導要領の目玉である総合的な学習の時間も、クロス・カリキュラムとかポートフォリオとか新しい言葉で飾っているだけで、実際の場面では、昭和二十年代の総合主義教育との違いを見出せない迷路に迷い込んでいる感さえあります。  そう考えますと、我が国の今の「ゆとり路線」は行き過ぎの傾向にあり、現在進行中であると言われる勉強しない子供の急激な増加、別名、子供の「学びからの逃走」を一層助長し、「学力低下」を招くのではないかと危惧されます。  この辺に関しましては、公明党の池田議員からも何度も指摘があったことでございますが、そのたび、区教育委員会は学力低下がないとおっしゃっておりましたので、ここでその心配を再度、私の自民党からも指摘しておきます。  この「学びからの逃走」や「学力低下」は、日本社会の文化的危機であると考えます。これまで長く子供たちの学習意欲を支えていた社会の何かが崩れてしまったのではないかとさえ思えてなりません。  本来、学力を問うということは、社会の構造と活力を問うことであります。と同時に、次の世代の活力を問うことでもあります。二十一世紀の社会は、高度の知識が総合的に組織された知的社会であります。繰り返すようですが、そういう社会の流れの中で、世界のどこを探しても、公教育の価値と機能を極小化し、教育内容の知的レベルを下げる教育改革を断行している国は存在しません。教育委員会としては、この「ゆとり路線」と学力問題をどう受けとめられるでしょうか。教育長のお考えをお聞かせください。  ただし、あらかじめお願いしますが、「ゆとり路線」の推進派である文部省の寺脇研さんという課長さんがいますが、この課長さんが言っているのは振るっているんです。「学校の仕組みも先生のあり方も全然変わらない中で、カリキュラムを変えてもうまくいかない。「ゆとり路線」を徹底するには、本格的な学校改革が必要だ」と。これ一見理屈は通っているんですが、実は他人事としかとらえず、すべて現場の責任として押しつけているような答弁でありまして、こういう答弁はしないでいただきたいと思っております。  私立学校の多くは、既に「ゆとり路線」反対を打ち出しております。そんな中で、完全に学校が変わるまで悠長に待てるはずがありません。そして、問題なのは、選択を重視しているんです。選択というのは好きなことを選ばせるわけです。中学校で選ばせて、本当にいいのかと。ある議員の息子さんが東大の理学部におります。中学校で好きになったんじゃない。高等学校へ行って好きになった。中学校では無理やりやったかもしれないと。選んだんじゃない。もし自主的に選んでいてやらなかったとすれば、そういう現在はないということになります。これは、ですから当然きちんと押さえるべきは押さえるというのが、私どもの考えであります。  私立学校志向がますます強くなる。ということは、収入格差が学力格差につながってきます。答弁よろしくお願いいたします。  最後に、学校の透明性と説明責任についてお願いします。  コンピューターが全校に配置されております。しかし、インターネットがまだ立ち上がっていないんです。若い人たちに調べていただきました。そうすると、小学校では谷中小学校、金曽木小学校、台東小学校、済美小学校の四校、中学校では忍岡中学校と今戸中学校の二校、大変少ないと。しかし、東京都全体から見れば、小学校、二十三区で六・三パーセントですから、うちの場合は一六パーセント。中学校では、区部では六パーセント、うちは二〇パーセントですから、決して低いわけじゃありませんが、やはり特色ある学校を目指している我が区としましては、ぜひインターネットを立ち上げて、そこで情報収集できるようにしていただきたい。また、ホームページを短いスパンで更新していただきたいと。  そして、インターネットを使うだけでなく、情報収集の見地からも、メールアドレスを公開していただけないでしょうか。もちろん悪質な嫌がらせはありますが、それを恐れていては、新しいことはできません。本当の意味で、地域に開かれた学校としてのあり方を探る意味でも、双方向のインターネットの活用を考えていただきたいと思っております。いかがでしょうか。教育長のお考えをお聞かせください。  どうもご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田口治喜 さん) 区長の答弁を求めます。  番外区長。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 鈴木茂議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、財政健全推進計画についてでございます。  計画の着実な推進を図るため、これまで部会検討を進めておりましたが、進捗状況に応じて、前回のように補助金を初めとする三部会の報告をいたしたところでございます。残りの三部会につきましても、適宜報告させていただきます。  次に、行政評価と補助金の関係についてでございます。  行政評価の考え方に基づく補助金の見直しの必要性につきましては、私も十分認識いたしております。これまでさまざまな角度から検討を進めてまいりましたが、財政健全推進のため、幅広くご協力をいただく観点から、一律一五パーセントの縮小をお願いいたしました。行政評価の考え方につきましては、今後も十分生かしてまいります。  次に、民間委託についてでございますが、本区ではこれまでも積極的に業務の委託を進めてまいりました。第五特別養護老人ホームの委託に当たっては、人件費の節減など、民間委託のメリットを最大限に発揮できるよう努めてまいりたいと存じます。  ご質問の第二は、市民と行政との連携についてでございます。  NPOは自主的な活動が原則でありますが、近年、行政とのかかわり合いが多くなっております。そこで、企画課においてNPOなどのさまざまな情報を収集整理し、検討しているところでございます。  ご質問の第三は、産業振興政策についてでございます。  まず、東京都の「秋葉原シリコンアレー構想」との連携についてでございます。  区といたしましては、都と連携し、この地域をIT産業の一大集積拠点とすべく、この十二月から集積支援の事業を行うとともに、大江戸情報タウン「TAITO」推進協議会に都の参加を得て、情報提供や事業について協議しております。今後とも十分に連携を図ってまいります。  IT関連産業推進協議会の設置につきましては、さまざまな情報交換の場として有益であると考えられますので、今後、実施主体も、十分検討してまいります。  次に、卸売業に対する支援でございます。  卸売業は、議員ご指摘のように、IT化による流通構造の変化により、厳しい状況にあると認識しております。区といたしましては、IT関連の特別相談を実施するとともに、アドバイザーの派遣制度を充実し、経営改善の支援を行ってきたところでございます。今後とも事業者の要望を踏まえ、さらに相談・指導体制の充実に努めてまいります。  次に、製造業のネットワーク化についてでございます。  その必要性については十分認識いたしております。現在製造業の振興を目指し、区内中小企業の優れた技術・技能をデータベース化し、来年度から「台東区ものづくり紹介事業」として発信してまいります。  また、全国規模の製造業ネットワークなどへ参加促進を図るなど、さらに充実強化をしてまいります。  ご質問の第四は、介護保険についてでございます。  まず、保険料についてでございますが、十月分の収納状況につきましては、金融機関等からの連絡を受け、十一月中にまとまる予定でございます。  次に、サービスの質と量の把握についてでございます。  サービスの質につきましては、各種の調査や相談窓口に寄せられるご意見などから、本区においては、おおむね良好なサービスが提供されている考え方でおります。  また、サービスの量につきましては、訪問サービスは充足しておりますが、施設整備を必要とするサービスは不足いたしております。  次に、台東区で不足をしているサービスについてでございますが、議員ご指摘のとおり、特に短期入所、通所介護が不足しております。このため、積極的に民間事業者の参入などを推進したところでございます。  次に、介護保険の認識につきましてでございますが、私も議員と全く同じでございまして、利用者がみずからの選択に基づき適切なサービスが利用できるよう、可能な限り支援策を講じてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(田口治喜 さん) 次に、教育長の答弁を求めます。  教育長。   (番外教育長隈部 孟さん登壇) ◎教育長(隈部孟 さん) 鈴木茂議員の私へのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、学力低下と「ゆとり教育」についてのご質問にお答えをさせていただきます。  最初に、「ゆとり教育」についてでございますが、文部省はゆとりの中で生きる力をはぐくむことを中心的なねらいとして強く打ち出しているものと受けとめております。  私といたしましては、ゆとりとは子供たちが落ちついて勉強やスポーツ、その他さまざまな活動に生きがいを持って積極的に取り組んでいく心のゆとりであるとともに、教育内容の厳選により確保された時間の中で、基礎的、基本的な内容を確実に身につける時間的なゆとりであると認識をいたしております。  議員ご指摘の新学習指導要領実施に伴う学力低下の懸念につきましては、「ゆとり路線」が過度に進行することは基礎学力の低下を招きかねないとの危機感を私も抱いているところでございます。  そこで、この学力問題につきましては、本区の教育ビジョン策定の中で積極的に論議を深め、児童・生徒の学力の実態を正確に把握するとともに、公立学校を経営する上での責務として、基礎的、基本的な学習の理解度を高め、生きる力としての学力の向上を目指して、具体的な対応を考えてまいりたいと存じます。  次に、学校の透明性についてのご質問にお答えをさせていただきます。  地域に開かれた学校づくりのために、インターネットの活用が極めて有効であると私も考えております。本年度小・中学校全校にインターネット接続が完了いたしましたので、議員ご指摘の内容も含めて、積極的な対応を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
    ○議長(田口治喜 さん) 三十四番大場功一さん。   (三十四番大場功一さん登壇)(拍手) ◆三十四番(大場功一 さん) 平成十二年第四回定例会に当たり、区民台東21を代表して、大要五点にわたり質問申し上げます。  質問の第一は、特別区新時代についてであります。  行政、議会はもとよりのこと、自治権拡充に注がれた区民や各関係者のエネルギーの総量は、はかりがたい膨大なものであり、この間の経緯に深く思いをはせるとき、何としても改革の実を上げねばなりません。  特別区新時代、新生台東区になってはや七カ月が経過いたしました。そこで、いささか時期尚早とは思われますが、「基礎的自治体」となった台東区にいかなる変化が生じたのか、あるいは生じつつあるのか、この時期に検証を試みてみたいと存じます。  今回の改革は、「三位一体の改革」と言われますように、以下の三点が中心であります。一つ、特別区の性格を都の内部団体の位置づけから基礎的地方公共団体の位置づけへと改め、特別区の区域において二層制の地方制度が実現したこと。二つ、都区財政調整制度の見直しなどを含め、特別区の財政自主権の充実強化が図られたこと。三つ、市町村にとって本来的な仕事である清掃事業が特別区の担当となり、その他の大都市事務についても都から特別区に移管されたことの三点であります。  東京都は広域自治体へと脱皮し、特別区はメトロポリス東京の文字どおり基礎的自治体として明確に位置づけられました。ここに至り、各特別区は、従来以上にそれぞれの歴史的な背景や地域特性、さらには民意の動向に深く根差した特色ある個性的な区政運営を展開することを強く求められることとなりました。  そこでお尋ねいたします。  飯村区長におかれては、新生台東区として新たな一歩を踏み出したこの七カ月をいかなる姿勢で、またいかなる行政対応で臨まれたのか、あるいは現に臨まれておられるのか、率直にご披瀝ください。  本年三月の予算委員会で、多くの委員の皆様から、職員の意識改革の問題が白熱して論じられました。特別区新時代、新生台東区の船出に当たっては、当然ながらに、全職員の徹底した意識改革が必須の要件であったからであります。  現時点においては、多くの区民の皆さんにとって、何も変わっちゃいないじゃないかというのが正直なところの実感ではないでしょうか。住民にとって真に頼りになる最初の政府となるために、今まさしく全庁的な意識改革の徹底が求められておりますが、現状と今後の取り組みについてお答えをいただきたいと存じます。  もう一つは、二十三区間の連携・協調についてであります。  今日、日本じゅうを覆っているやり切れない閉塞感は、護送船団方式に代表される我が国の横並び意識に起因いたします。メガコンペティション、都市間競争の時代と言われる今日、安易に一部事務組合方式を採用するようなことではない、より創意に満ちた発想のもとでの取り組みが要求されると考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、この項の二番目として、特別区の財政自主権に関してお尋ねいたします。  都区制度改革の実現と軌を同じくして、本年四月一日より地方分権一括法が施行されました。機関委任事務の廃止に見られるように、自治の原理が大きく前進するなど、地方分権一括法の成立には大いに評価されるべきものがあります。しかし、いまだ道半ばであり、特に国・地方間における財源配分のアンバランスが是正されなかったということが、最大の難点であります。この路線が都区制度改革にも反映し、残念ながら税財政にかかわる都区間の権限移譲が完全なものではありませんでした。  そこでまず、今日ただいまの都区間における財政調整の内容がいかなる状況になっているのか、その全容を明快にお示しいただきたいと存じます。  この間の都区間における協議や折衝が熾烈をきわめたものであったことは十分承知いたしておりますが、またその間の努力も十分承知いたしておりますが、なお都区間には相当な乖離が存在しております。したがって、今後ともたゆまざる改善への取り組みが続行されるものと予想されますが、現状認識と残された課題、そしてそれに対する取り組みについて、区長のご見解をお示しください。  この項の最後となりますが、国民健康保険の財源確保についてお尋ねいたします。  制度改革に伴い、国民健康保険事業調整条例が廃止となりました。財源不足補てん方式から単位費用による標準算定方式になったことや、当面は現行水準維持が貫かれる等の事実は十分承知いたしております。しかし、増大する医療費問題等を抱え、本区の国保運営が極めて極めて容易ならざる状況にあるとの指摘がなされております。この意味から、国保財源の問題は看過できず、重大な関心を持って推移を見守る必要があります。  国保財源にかかわる今日ただいまの現状、今後の課題そしてその対応策について、区長のご所見をお聞かせください。  質問の大要二点目は、清掃・リサイクル事業についてであります。  若き日に社会科で学んだ貝塚が教えてくれますように、有史以来、人類はごみとのかかわりを持ち続けてきたものと思われます。大きく時が流れ、文化・文明の変遷の中で、人類は「使い捨て文化」といった言葉に代表されるように、経済効果のみを優先する「大量生産」、「大量消費」そして「大量廃棄」という社会構造を生み出してしまいました。しかし、人類は今また新たな局面に立たされております。今や、地球規模の課題として、国際連合を通じて人類共通の最重点課題として位置づけられるに至りました。  このような変遷を経て、清掃・リサイクル問題は地球を守るという崇高な理念から、日々の生活の一こまに至るまで、あらゆる角度から無数の切り口が存在する課題へと発展しています。まさしくThink Globally, Act Locally ということでありましょうか。  そこで、本日は、清掃事業移管に伴う課題を柱に、以下何点かお伺いいたします。  基礎的自治体となった当然の帰結として、好むと好まざるとを問わず、清掃事業は特別区の責任において直接遂行することとなりました。直営事業となって七カ月が経過しようとしておりますが、まずは、ただいまの時点で、清掃事業をいかなる視点と姿勢で区長がとらえておられるか、率直にお聞かせいただきたいと思います。  また、この間、区民の皆さんの参加を得ながら、大わらわな活動が展開されてきたわけですが、独自事業となったからには、従来以上のよりよいサービスの提供が当然のごとく求められます。そこで、現状における区民の皆さんの反応はいかなるものなのか。プラス、マイナス、両面の評価について、区として把握されておられる範囲で、正確な情報の開示をお願いいたします。  さらに、関連して、東京ルール・ワンの導入についてでありますが、清掃事業移管時点の諸般の事情にかんがみ、議会として了承いたしましたが、必ずしも潔しとしたものではありませんでした。長年の試行錯誤や経験、努力を積み上げての、民間の自主回収を旨とする路線こそが本来のあり方と認識いたしますが、区長のご所見をお伺いいたします。  この項の二点目として、「自区内処理の原則」についてお尋ねいたします。  清掃事業の移管がなされたこの時点において、私どもが情報として承知いたしているのは、一定の条件のもとで、台東区の清掃工場は平成二十四年以降に着手、そして遅くとも平成三十年までに、二十三区すべての整備が完了するということであります。超スピードのこの激変の時代に、十年を超す未来の状況を想定することは至難のわざでありますが、この「自区内処理の原則」を等閑視して、無為に年を重ねることは決して許されるものではありません。  そこでお尋ねいたしますが、この「自区内処理の原則」をどのようにとらえ、どのように対応されていかれるのか、区長のご見解をご披瀝ください。  長年にわたる都区間協議の結果まとめられた整備計画の、もう一つの重要なテーマは、「資源循環型清掃事業の実現」であります。「自区内処理の原則」に深く配慮をいたしつつ、資源循環型清掃事業を徹底していく過程の中で、清掃工場建設という極めて重い課題に、別の角度から光明が差してくるものと私は信じてやみません。地理的条件という決定的な要因を含む本区の総合的な立地を熟慮いたしますと、万策を尽くしてでも、「ごみ減量の徹底」と「リサイクルの徹底」を二本柱に、日本一の「資源循環型清掃事業」を確立することで、道が開けてくるものと確信いたしております。区長のかたい決意と取り組み姿勢についてのご所見をお伺いいたします。  この項の最後として、台東区環境基本計画に関連してお尋ねいたします。  一つは、環境マネジメントシステムについてであります。  環境基本計画が策定された今、その実効ある推進のために、一日も早い環境マネジメントシステムの導入・確立を強く求めるところでありますが、現状はいかなる規模でどのような取り組みがなされ、その到達度はどの程度か、まずご報告をいただきたいと存じます。  もう一つは、ISO14001の認証取得についてであります。  今や、地方自治体におけるISOへのアプローチは、日を追うごとに拡大している状況にあり、二十三区に限っても、板橋区が既に認証を取得しており、新宿区が本年十二月に、そして港、品川、目黒、世田谷、杉並、練馬の六区が明年中の取得を予定しているとの報道がなされております。  認証を取得するということは、国際的な規格・基準に達した環境マネジメントシステムが確立されたことを権威ある認定機関によりお墨つきを得ることであり、そのことの意義は極めて大きく、したがって環境マネジメントシステム導入の暁には、当然のこととして一日も早い14001の認証取得を目指す姿勢は、私も十分理解できるところであります。  ここで、ただ一点、私が危惧することは、環境・リサイクル・清掃関連のみならず、失礼ながら現在の台東区の行政全般を俯瞰しましたとき、一気に国際規格のISOを目指す段階にあるのかどうかということであります。重要なことは、本区の組織実態と実力に合った環境マネジメントシステムをまず確立することが先決であります。費用対効果、取得後の義務的事務の増大等々の観点から、ここにきて、取得についてだけは慎重を期す流れも見え始めています。まずは、それ自体に意義のある台東区独自の環境マネジメントシステムの確立・完成に集中することが、今の時点での最良の選択と思いますが、いかがでございましょうか。私の杞憂であれば幸いでありますが、区長のご所見をお伺いいたします。  質問の大要三点目は、産業振興と雇用の創出についてであります。  台東区がよって立つ存立の基盤は、産業と雇用であります。今日、すべての分野にわたり区民ニーズは拡大の一途をたどっております。こうした行政需要を支え、台東区そのもの自体の存立を牽引していく力は、まさに産業と雇用であります。  私はこの基本的な観点に立ち、議会活動の中で一貫して産業振興の課題に取り組んでまいりました。台東区の予算書に最初に接しました折、当時は上條 貢区長さんの時代でしたが、予算総額に占める産業費の割合が三パーセント弱であったことを、現在鮮明に記憶いたしております。日本有数の商工業のまちでありながら、この数字は一体何であろうかと疑ったものでした。さらに、役所の組織においても、区民部の中に商工課が存在し、このことも大変奇異に感じたものでありました。  その後、長い取り組みの中で産業部が生まれ、本年度予算総額に占める産業費の割合も五・九パーセントと、往時の二倍へと向上を見せました。率直に申し上げ、ここ数年来、産業振興は着実に伸展を見せているものと私は評価をいたしておりますが、さらなる充実を期し、以下何点か熱い熱い思いを込めて質問申し上げます。  その第一は、東京都が本年七月に策定した「東京都産業振興ビジョン2000」に関連してであります。石原知事が相当の思い入れで策定しただけありまして、まずはその基本姿勢に学ぶ点が多々ございます。  一、二引用させていただきますと、いわく「行政が策定するビジョンは、それ自体が自己目的化しがちです。ビジョンが実行され、東京の産業と雇用、地域社会、都民の生活が実際に改善されてこそ、初めてビジョンが意味を持ちます」。さらに、いわく「私たちは今回のビジョンを全力で実施します。そして、到達点を常に点検し、戦略を練り直し、最新のビジョンを都民の皆様とともに共有していきたいと考えています」等々、繰り返し東京の産業と雇用の再生にかけるメッセージを強烈な個性で訴えておられます。  翻って、本区は台東区産業振興ビジョンを平成八年三月に策定いたしました。私はこの四年有半の間、ビジョンに基づく施策が着実に実現されてきているものと一定の評価をいたしておりますが、今般の「東京都産業振興ビジョン2000」における意欲、姿勢、ましてや創意に満ちた手法には、大いに学ぶべきものありと痛感いたしているところであります。台東区産業振興ビジョンのさらなる着実な実行・実現に向けての区長の意欲、取り組み姿勢、手法につきまして、ここに改めてお尋ねいたす次第です。  以下は、具体的な課題につきまして四点お尋ねいたします。  一点目は、台東区のモノづくりの再生についてであります。  長い歴史に支えられてきた伝統工芸を含め、かつて台東区はモノづくりのメッカでありました。もろもろの原因が絡んで衰退を余儀なくされてきましたが、数々のプロジェクトを立ち上げ再び日本の製造業の復活を目指す国の方針に合わせ、台東区にあっても、モノづくりの再生に向けての新たな展開が今強く望まれるところであります。  若者のモノづくり離れが叫ばれて久しく時が流れゆきましたが、最近の厳しい雇用環境の変化の中で、コンピューターなどの新技術と職人技との両面を使いこなす「デジタル職人」と呼ばれる若者がモノづくりの未来を今開き始めています。モノづくりを推進・発展させる素地を十分に有する台東区にあっては、このチャンス、時流を逃してはならないと思います。  こうした状況の中、今、区内製造業において最も懸念されていることは、受注確保に裏打ちされた企業の存立そのもの、存立問題であります。もとより、企業みずからの自助努力が第一でありますが、この分野においては、当然行政としても強力な支援体制を確立すべきものと考えております。  そこで、一つご提案がございます。製造業企業データ検索システムである「全国中小企業インターネット受発注ネットワークシステム」、略称SMET(スメット)との連携であります。このSMETは、「産業のまちネットワーク推進協議会」参加二十一地方自治体、「中小企業都市サミット」加盟十地方自治体とによって運営されています。自前の広範な営業網を持てない中小製造企業にとって、強力な武器として、既に現在大きな日々実績を誇っております。  ところで、この加盟自治体の中に、二十三区として、案の定といいますか、果たせるかな大田区、墨田区、さらには品川区、板橋区の名は発見することができましたが、我が台東区の名は、何遍繰り返しても見つかりません。極めて残念。このあたりに、産業振興にかける本区の消極さを感じざるを得ません。  モノづくりにおいては、日本の旗頭たらんぐらいの気概・情熱があってしかるべきと、私は強く思うのでございますが、いかがでしょうか。まずは取り急ぎ、SMET運営の加盟自治体に参加され、台東区のモノづくり再生へ確かな一歩を踏み出してほしいと強く望むものですが、区長のご所見をお尋ねいたします。  二点目は、生涯学習センターの産業振興への活用についてであります。  明年の秋、いよいよ待ち望んだ生涯学習センターが完成の運びとなりました。今や生涯学習という概念は、関係者間においては十分に消化された概念としてすっかり定着をいたしました。あとはすべての住民の皆さんが、あくまでも主体的に生涯学び続けられるよう、ハード、ソフト両面において、行政がいかによりよいサービスを提供するかということにかかっています。  そこでまず、図書館機能のうちレファレンスサービスの充実についてお尋ねいたします。  台東ブランド「アルティベリー」に象徴されますように、今後台東区のファッション産業のさらなる成長・発展が大いに期待されるところでありますが、そのファッションのかなめであります企画開発力、デザイン力、さらには技術力を高める手段が、専門誌を初め、世界規模・世界水準でのメディア媒体なのであります。待望久しい本格派図書館にふさわしいレファレンスサービスの充実、とりわけ産業振興に資するこの分野の思い切った充実を心から願うものでありますが、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、センター内のコンピューター研修室の活用についてであります。  担当部局の熱意ある努力が実り、郵政・通産両省の認定に基づく補助事業として、先進的情報通信技術の導入が決定し、まことに喜ばしい限りであります。本来的には、学校教育ネットワークシステム等々の確立が伸展していくものと期待しておりますが、産業振興の立場からのコンピューター研修室、教育研修室の活用を、現在心から要請するものであります。  今日、モノづくりにおいて、CAD・CAMの採用は不可避の基本要素であります。生涯学習における重要分野の一つでありますリカレント教育の体系的な構築にあわせて、区内事業所を対象としたCAD・CAM等を初め、諸々の産業研修に広く道を開くよう求めるものでありますが、区長のお考えをお尋ねいたします。  三点目は、台東区観光ビジョンについてであります。  台東区産業振興ビジョンの中には、観光を産業として位置づける記述は全く見当たりません。いささかいぶかりながら時の経過を許しておりましたところ、平成十一年度予算において、台東区観光ビジョン策定が新規事業として登場してまいりました。そして、先般、A四判二百五十二ページからなる膨大な調査報告書が作成され、今定例会において、区長より本年度中の観光ビジョン策定の表明がございました。そこで、この機を逃さず、ご指摘しておきたいことが一点ございます。  それは、観光を「産業」としてきちっととらえていただきたいということであります。観光という分野には、旅行、交通、宿泊、飲食、土産品、娯楽等々、すそ野の広い関連産業が存在します。二十一世紀は、これまで以上に世界じゅうから多数の観光客を迎える時代となりましょうし、国もウェルカムプラン21を推進し、東京都もビジターズインダストリーの視点で観光産業に力点を置く姿勢を明らかにしております。台東区観光ビジョン策定に当たり、具体的かつ体系的な観光産業の位置づけを確立すべきものと声を大にして申し上げますが、区長のご所見をお伺いいたします。  この項の最後は、雇用の創出についてであります。  何十年にもわたり営々と営んでこられた事業や商売を、打ち続く平成不況の中で、廃業のやむなきに至ったケースを初め、予想だにしなかったリストラによる離職・失業といったケースが、残念ながら私どもの身の回りで数多く起こっています。  台東区の活力の維持はもとより、未来への再生のためにも、手をこまねいているわけには断じてまいりません。みずからおのれの非力に切歯扼腕するばかりでありますし、一地方自治体としても、おのずと限界がありましょう。しかし、限界は限界として、行政としての雇用の創出に向けた可能な限りの積極的な取り組みが、今、待ったなしで求められております。私どももあらゆる手だてを講じて懸命な努力を尽くす決意を表明いたしますが、雇用の創出と確保について、区長のご決意のほどをご披瀝ください。  質問の大要四点目は、区有財産の管理・運用についてであります。  未曾有の財政危機に直面して、区は本年度より平成十六年度までの五年間に三百九十九億の財源確保を目指すという、骨まで切らんとするほどの台東区財政健全推進計画に取り組んでおります。しかし、そうした中、必ずしも緊迫感が伝わってこない側面も見え隠れしています。そこで、機能的でかつ実効性が高いと確信いたす施策の一つとして、区有財産の管理・運用に関して問題提起をいたす次第です。  公租公課がかからないことや、取得・維持に要する金利負担も視野に入らないことなどから、役所で最もコスト意識が働かないのが、土地・建物を主とする公有財産であります。  過去、予算、決算委員会等の場を通じて幾度となくご指摘をしてまいりましたが、残念ながら、現状これといった進展は見当たりません。ここに至り、基本的な展開を求めて、区有財産の有効活用促進を目指す検討委員会の設置を強く提案するものであります。  そしてさらには、今日みずから所有する土地や建物などを経営戦略的な観点から管理・運営する「ファシリティ・マネジメント」という手法が大きく広がっております。東京都財務局においても、「ファシリティ・マネジメント」の導入を決定し、都有財産の「利活用総合計画」を策定すると仄聞いたしております。本区におきましても、一日も早く、この「区有財産有効活用促進検討委員会」の設置を強く求めるものでありますが、区長のご見解を伺います。  次に、具体的な手法につきまして、二点ご提言を申し上げます。  一つは、定期借地権の活用であります。  足立区の鈴木区長が推進する「二・二・二住宅プラン」が今大変な反響を呼んでいます。「二・二・二」とは、二千万円台の二世帯住宅を二千戸供給するという内容でありまして、その基本をなすものが、この定期借地権の活用であります。  近年、ようやくこの効用が認識され、民間はもとより、自治体においてその採用が急速に広がりを見せてまいりました。五十年間土地を提供するだけで、行政として事業費を出費する必要は全くなく、未利用の土地が生かされ、ゆとりの住環境が提供されるシステムであります。定住対策の促進を迫られている本区にとっては、まさにうってつけの手法であります。  極めて厳しい財政運営が強いられる中、機に臨んでは、柔軟な発想と勇気ある決断で、新たな手法を採用していただきたいと思いますが、区長のご所見をお尋ねいたします。  もう一つは、区有施設の管理・運用についてであります。  間もなく築後三十年を迎えようとしている本庁舎を初めとして、主要施設のライフサイクルを明確な基準によって把握・捕捉されておられるかということであります。何よりも、今後確実に増大する更新経費、さらには光熱水費、各種委託費等をいかにコントロールするか、ここが基本であります。  本年完成した雷門駐車場、明年秋完成予定の生涯学習センター、さらには上野地下駐車場等を視野に入れますと、単純な課題として見過ごすことは断じてできないのであります。さきに触れました「ファシリティ・マネジメント」の導入による適正なコスト管理、経費の平準化、さらには徹底的なスペースの有効活用等々の体系的な処法の確立が焦眉の急で求められておりますが、区長の明快なご答弁をお願いいたします。  大要五点目、質問の最後となりますが、新しい世紀に夢をはせて、以下三つの課題につきまして、区長を初め理事者そしてすべての職員の皆様方にご提示、ご提案し、長期の展望の中で意義ある施策として花を咲かせていただければと望む次第であります。  第一は、台東区の目指すべき都市像として、文化・芸術都市への志向についてであります。三千を超える日本の自治体の中にあって、本区は最上位に位置する文化的環境に恵まれております。名誉区民でいらっしゃる平山郁夫先生が提唱される「ミュージアム・オブ・ニッポン」構想のもと、上野の山は世界水準の文化・芸術の拠点として、その威容をますます高めております。産学協同の潮流の中で、東京芸術大学との一層の連携等を含め、二十一世紀において台東区が文化・芸術都市を目指し、一丸となって着実に邁進することを強くこいねがうものであります。  第二は、くしくも白川英樹筑波大名誉教授が、我が国第九番目のノーベル賞受賞者となられましたが、筑波研究学園都市との交流についてであります。  常磐新線が果たす役割は、もとより交通混雑の緩和は当然でありますが、ほかに大量の住宅供給、産業基盤の整備等々、重要な要素を有しております。そこで、さらに重大、注目すべきは、頭脳都市としての筑波研究学園都市が都心と直結することにより、国際的業務都市として大きく前進することであります。秋葉原・筑波間四十五分、一日運行本数百五十七往復というこの内容、あわせて二十一世紀が人類の幸せに奉仕する科学の時代、科学の世紀と言われていることを思いいたせば、本区において筑波研究学園都市の存在をないがしろにはできないものと思う次第であります。  第三は、ノーマライゼーションについてであります。  ノーマライゼーションの概念は、ようやくにして広く人口に膾炙するに至りましたが、その実現には、いまだ「道遠し」の感が否めません。おのれ自身に問いかけても、内心じくじたる思いに駆られるばかりです。ノーマライゼーションの概念が欧米から取り入れられた思想であり、したがって日本の社会において、その真の実現のためにはまだ多くの時間を要するものと考えます。  ただしかし、世界に冠たる文字どおり「人情のまち」「心通うまち」である台東区を考えれば、大いに反省すべき点があると思います。台東区のこの誇るべき伝統的地域特性に思いをいたせば、日本有数のノーマライゼーションの先進自治体となり得るものと確信いたしております。区長の一層の、この件に関する世界に誇れる、そういうノーマライゼーションのまちを目指していただきたいと思う次第であります。  日々の膨大な事務事業に一層ご奮闘いただきますことを願うとともに、「行政はロマン」という視点も心にとめておいていただければ幸いです。区長のご所見をご披瀝ください。  二十一世紀が台東区並びに区民の皆様にとって輝かしい世紀となりますことを、この壇上より衷心より祈念いたしながら、私の質問を終わらせていただきます。  ご清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(田口治喜 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 大場議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、特別区新時代についてでございます。  まず、新生台東区についてでございます。  都区制度改革により、特別区は基礎的自治体に位置づけられました。特に、清掃事業など、区民の身近な事業をきめ細かく円滑に実施することに力を注いでおります。また、この考えを生かし、区の自主性の発揮に努めております。  次に、意識改革でございます。  基礎的自治体となり、職員の意識改革は大変重要なことと認識いたしております。区民サービスの向上を目指した事業の開発や若手職員による財政健全への取り組み方など、職員の意識は変わってきております。  なお、今年度に策定する人材育成基本方針の中で、職員の意識向上や能力開発について、具体的に示してまいります。  次に、創意に満ちた取り組みについてでございます。
     地方分権の推進に伴い、今まで以上に地域特性を反映した行政運営ができるようになりました。こうした点を十分に踏まえ、今後とも個性豊かな施策を展開し、区民福祉の向上に努めてまいります。  都区財政調整につきましては、新たな考え方を導入するとともに、区への配分割合は、清掃事業の移管などを踏まえて、四四パーセントから五二パーセントになりました。しかしながら、財政調整の大都市事務の役割分担など、課題が残されております。都区協議会で検討することが確認されております。私は、今後ともさらなる改善を求めてまいります。  次に、国民健康保険についてでございます。お答えをいたします。  国民健康保険の財政運営は、ご指摘のとおり先行きが懸念されております。私は、国や都に対して、財源の確保・拡充に一層の働きかけをしてまいります。国で検討中の医療保険制度改正についても、安定した運営となるよう要望してまいります。また、区といたしましても、保険料の収納など、財政基盤の安定に努力してまいります。  ご質問の第二は、清掃・リサイクル事業についてでございます。  まず、清掃事業に対する視点と姿勢についてでございます。  清掃事業につきましては、区民の皆様方のご理解とご協力により、順調に進めているところでございます。区民の皆様方から、身近になったとの励ましの声や夏場の生ごみについての相談がありました。今後とも、効率的で地域に親しまれる清掃事業を進めてまいりたいと存じます。  次に、民間の自主回収について。  東京ルール・ワンにつきましては、集団回収に参加できない区民の皆様方を対象としたものであります。集団回収など資源回収につきましては、民間の回収を基本とした政策を推進してまいりたいと考えております。  次に、「自区内処理の原則」についてでございます。  区移管に際して、清掃工場の整備が原則となっております。今後の対応につきましては、用地の確保やごみ処理技術の状況、他区との協力関係などを踏まえながら検討してまいります。  次に、資源循環型に関する議員の考え方につきましては、私も同感であります。今後とも循環型社会の構築に向け、努力してまいりたいと考えております。  次に、環境配慮行動についてでございますが、既に環境配慮推進本部を設置し、全庁的な取り組みを開始しております。  次に、ISO認証取得についてでございます。  今後、本区独自の環境方針の策定や環境目的の設定、職員全員に対する研修の実施など、具体的な行動をしてまいります。こうした結果が認証取得につながるものと考えております。  ご質問の第三は、産業振興と雇用の創出についてでございます。  まず、台東区産業振興ビジョンにつきましては、経済社会情勢の急速な変化も踏まえ、着実に実行してきたところでございます。また、今年度から中心市街地活性化やITへの取り組みを始めたところでございます。今後とも環境変化を踏まえつつ、産業の振興に向け、努力してまいりたいと思います。  次に、台東区のモノづくりの再生についてでございます。  まず、SMETへの参加についてでございます。台東区はSMETの構成団体である「産業のまちネットワーク推進協議会」にオブザーバーとして参加しており、この十二月に正式に会員になる予定でございます。また、区としては、中小企業の基礎資料の収集を行っており、来年度より情報発信をする予定でございます。今後は、これらの事業を通じて、区内の製造業の促進を図ってまいります。  次に、生涯学習センターの産業振興への活用についてでございます。  ファッション産業にとって、デザイン開発力や商品企画力の向上は必須であり、専門誌、情報誌などの活用は欠かすことができません。このため、今後教育委員会とも十分協議し、機能の充実に努めてまいります。  次に、コンピューター研修室の活用についてでございます。  これからの中小企業にとって、IT技術は必要不可欠であると認識いたしております。センター内のコンピューター研修室や関連設備についても、区内中小企業が活用できるように対応してまいります。  「台東区観光ビジョン」についてであります。  観光は、宿泊、飲食、娯楽など、観光産業振興を重要目標の一つとしてとらえ、国際観光都市を目指して「台東区観光ビジョン」を策定してまいります。  次に、雇用の創出についてでございます。雇用の創出には、新規創業とともに既存の企業の事業拡大が必要であります。区では、情報関連産業など、雇用の高い分野での創業や既存の中小企業の事業拡大を支援する各種の助成や融資を実施しております。今後とも、このような雇用創出が期待できる企業活動を積極的に支援してまいりたいと存じます。  ご質問の第四は、区有財産の管理・運営についてでございます。  検討委員会の設置についてでございます。土地や建物などに対し、経営的な視点から管理・運営を行うことは、私も有効であると考えております。現在、財政健全検討部会では、区有財産の有効活用を図るための見直し、今後は議員ご提案の趣旨を踏まえ、さらに検討してまいります。  次に、定期借地権の活用についてでございます。  区では、既に公有財産規則を改正し、必要な規則整備を行ったところでございます。今後は、定期借地権制度の利点を生かして、可能なものから活用してまいりたいと存じております。  次に、区有施設の管理・運営についてでございます。  施設の建設から維持管理まで含めた適正なコスト管理が重要と認識しております。議員のご提案については、貴重なご意見と受けとめて、今後さまざまな視点から検討してまいります。  最後のご質問は、二十一世紀の展開についてでございます。  まず、文化・芸術都市への志向についてでございますけれども、本区は博物館、美術館など、文化施設が集積した日本有数の芸術・文化の宝庫であります。二十一世紀においても、これらの貴重な財産を活用して、文化・芸術を生かしたまちづくりを推進してまいりたいと存じます。  次に、筑波学園都市との交流についてお答えをいたします。  先端技術の整備が進められている筑波学園都市との交流は、本区の産業や教育などの発展に結びつくことが考えられますので、今後可能なことがありましたらば、研究して進んでいきたいと思います。  次は、ノーマライゼーションについて。  ノーマライゼーション、現在障害者の自立と地域交流や啓発など、その実現に努めているところでございます。今後は、さらに社会情勢の変化や福祉制度の改革に対応した障害者施策の充実に努力してまいります。  よろしくお願いいたします。  おかげさまで、どうも済みません。ありがとうございます。 ○議長(田口治喜 さん) 六番河野純之佐さん。   (六番河野純之佐さん登壇)(拍手) ◆六番(河野純之佐 さん) 二〇〇〇年第四回定例会に当たり、区民クラブを代表して三点にわたり質問させていただきます。  二十世紀最後となる節目のときに、私に一般質問の機会を与えていただいた会派の先輩各位に感謝を申し上げます。  質問に入る前に、三宅島地震により二カ月以上も島を離れ、大変なご苦労をされております皆様に対して、心よりお見舞いを申し上げます。現在、本区には、避難された七世帯、十六名の島民の皆様がおりますが、地震の鎮静化と島の復興を願い、一刻も早く島に戻られますことを切に願うものであります。  それでは、質問をさせていただきます。  質問の第一点目は、二十一世紀の新しい区政についてであります。  飯村区長は、台東区の目指す姿として、「いきいき多彩・下町たいとう」を平成十年三月長期総合計画に掲げました。今日に至るまで、景気の低迷の長期化や少子・高齢化が一層進む環境の中で、区長は区民の皆様のニーズにこたえるべく、果敢に区政運営のかじ取りをされてきました。  言うまでもなく、長期総合計画は、次の時代を見据え的確に対応できるものとともに、本区が抱える課題と対応の方向を明らかにして、区民に夢と希望を抱かせる区政運営の指針となるものであります。  あと五十三日で希望に満ちた二十一世紀に入ります。私も生まれたときから台東区に住み、二十一世紀はどんな社会に、そしてどんなまちになるのか、胸に想像を大きく膨らませていたものであります。  時代の流れは、情報化、グローバル化、教育環境など、めまぐるしく変わり、さらに韓半島の南北の統一に向けた歴史的な動きを初め、予想外のスピードで変革が進んでおります。銀行や保険業界の民間企業の合併などは、まさに大きな時代の流れの実現であり、近い将来、区市町村の合併についても急速に進み、本区においても、二十一世紀じゅうには他の自治体との統合があると想像されます。二十一世紀も、この台東区はしっかりと存続していかなくてはなりません。そのためにも、基礎的自治体となった本区は、区民サービスを提供する存在として、ますますみずからの判断と責任が強く求められ、他の自治体より勝る力を持ち、変貌していかなくてはなりません。  こうした背景の中で、都知事を初め、二十三区の多くの区長も、来るべき二十一世紀に向けて、新たな構想や方向性を明確に打ち出す計画がされております。  私は、新しい時代の台東区は、元気な高齢者とともに新しい活力を生む若い力を今まで以上に育て、成長させる環境が必要であると考えております。そして、活力を再生した強くて元気な台東区をつくるべきだと思っております。先日の区長発言でも言われたように、新世紀における活力ある地域社会の実現を目指すことは大変すばらしいものだと、私も同感をいたしました。  そこで、区長は新世紀を担う人たちに対して、新時代の台東区の将来像や姿を区民に明らかにする必要があると思いますが、どのようにお考えなのかお尋ねいたします。  さらに、十一年度決算書を見ますと、歳出の約四〇パーセントを民生費が占めております。産業費や教育費など他の分野と比較しますと、福祉分野の比重が高くなっているのがわかります。現在の社会の流れと変革、そして将来を見据えたとき、他の区に負けない元気で活力ある台東区をつくるために、今後は産業振興や区民の教育分野など、今まで以上に伸ばしていく必要があると考えます。  そこで、区長にお伺いいたしますが、今後も施策の重点を福祉分野に置くのか、それとも新たな時代を視野に入れ、区のさらなる活性化のために他の分野の施策にシフトをしていくのか、区長のお考えをお伺いいたします。  次に、長期総合計画を具体的に実行し、区民が直接かかわり、肌で感じられるものとして、行政計画、すなわち実施計画があります。現在の行政計画は、平成十年度から十二年度まで三カ年の重点的な事業を実施されたと思いますが、区長はどのような成果を上げられ、これをどのように評価をしているのでしょうか。十二年度はあと少し残っておりますが、行政計画の施策のタイトルで挙げました「安心の創造」「にぎわいの創造」「個性の創造」という三点の視点から、成果と評価を区長からご披瀝ください。  さらに、平成十二年度を間もなく終えて、十三年度、いわゆる二十一世紀のスタートを切る行政計画を早期に区民に示すべきだと考えます。ことし三月に区財政の緊迫した状況と収支見通しの厳しさなどから、区長は財政健全推進計画を発表し、今、全庁を挙げ全力で取り組んでおりますことは、高く評価をしております。行政内部の努力はもちろんのこと、区民に対しても大変負担がかかる厳しいものと認識しておりますので、区民にとっては、これから示される新たな行政計画が大変注目するものであると考えられます。  しかしながら、今までの行政計画は区民にわかりにくく、どれだけの成果が上げられたか判断のしづらいものでありました。いまだに計画の概要が示されておりませんが、区民に対し計画内容をわかりやすくするためにも、新しい手法を取り入れた計画をつくるべきだと思うのであります。  そこで、区長は行政計画をどのように考え、新世紀の初めての行政計画はどのような方針のもとで区民に発表するのか、お伺いをいたします。  質問の第二点目は、動物との共生についてであります。  ここ近年、春から夏にかけて、東京都二十三区を中心にカラスがふえております。童謡の歌の中では、カラスは山や里にいたものですが、最近では山よりまちに多く移りすんでいる光景をよく見かけます。調べてみますと、都内のカラスの生息数は、十五年前では約七千羽のところ、昨年には約二万一千羽と三倍に増加していると推定されております。本区でも、緑の多い公園を中心に、上野公園、隅田公園には、かなりの多くのカラスが生息しており、区内どころか、都内じゅうを飛び回っております。  カラスがふえている原因としては、大量消費時代に繁華街で、えさとなる生ごみが豊富に入手できるなど、カラスの生息に適した環境が整ったためだと思われております。  区内においても、カラスの鳴き声の騒音や人間に対しての威嚇、そしてごみの散らかしなどの問題が発生しているのは周知のことであり、ことしの春先、私の町会でも電柱にカラスが巣をつくり、撤去するのに二カ月間もかかった事例があります。カラスのひなが巣立つまでは、住民を威嚇するため近寄れず、その間、早朝からカラスの鳴き声が聞こえ、町会じゅうを飛び回り、不気味な日々が続きました。巣の撤去の際には作業員を威嚇し、さらに通行人の頭を襲ったと聞いております。このようなケースはほかからも何度か聞いたことがあります。カラスは生き物ですから、自然のままに生息させることも大切だと思いますが、区民に危害などを与える危険性を考えると、カラスを減らす対策を講じる必要があると考えます。  そこで、区長は区内のカラスの増加に伴い、今後どのような取り組みをされるのか、お伺いをいたします。  次に、カラスは生ごみをえさとして生息しており、ごみ袋をつつき、散らかしている状況をよく見かけます。品川区では、ごみを出すのにごみ袋ではなく、プラスチックの容器を利用するように住民に推進しております。また、三鷹市では、繁華街のごみ収集を深夜収集に変えて、カラスのごみ荒らしを少なくしたと聞いております。  上野、浅草の周辺には多くの飲食店があり、生ごみが多く出る地域のごみ集積場は、カラスにとり格好の場所となっているわけであります。この点を認識すると、今後の対策としてごみ集積場の管理の強化や、区民に対し生ごみの出し方の指導などが重要であると考えますが、区長はどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  次に、最近では子供の一人っ子やひとり暮らしの家庭が多くなり、人間が動物に温かさや触れ合いを求めて、動物を飼う家庭がふえております。そのため、動物をペットとして、また人生のパートナーとして飼う傾向が見られ、まさに家族の一員としての存在になっております。  医学の面でも、かわいがっていたペットが死んだとき、飼い主の気持ちが落ち込んでしまうペット・ロスという症状もあり、また動物と触れ合うことで人間の心が落ちつき、安らぐようになるというペット・セラピー療法も取り上げられております。  この背景には、一般社会生活の中で徐々に人間関係が薄れてきており、相対的にペットとの関係が濃密化そして肥大化してきたものだと言われております。今やペット関連産業は一兆円規模の産業となり、全国で猫は八百万匹、犬は一千万頭いて、福祉関連分野と同じように成長産業として注目を浴びております。  正確な数字が出ていないのですが、区内にも犬、猫、鳥以外にも、特殊な動物をペットとして飼っている世帯もふえていると仄聞をいたします。本区でも犬の登録数は、平成元年では約二千四百頭が平成十一年には約三千三百頭と、三七パーセントの伸びであり、人口が年々減少して困っているにもかかわらず、犬を含めた動物の数は今後もふえ続ける傾向にあります。最近では、犬が人にかみつく咬傷事件は少なくなっていますが、これからもペットブームが続くことを推察すると、動物の排せつ物の処理や死体遺棄や虐待などの問題が多く発生してくると考えます。  そこで、私は、公園やまちの環境保全や衛生環境の面の強化も必要と考えますが、区長はどのような対応を考えているのか、お伺いをいたします。  また、十二月から動物の愛護及び管理に関する法律が改まり、要点としては、動物の所有者の明確化や飼育管理の責任などの強化を図ることであります。今後もさらに人間と動物とのきずなが深まり、安らぎを求めて動物と共生を図る家庭がふえていることを考えると、本区においては、法律の改正の中でどのような対応をとっていくのか、区長のお考えをお伺いいたします。  最後の質問は、バリアフリーについてであります。  シドニーオリンピックの感動を引き継ぎ、ハンデを克服したアスリートたちの活躍で、パラリンピックが感動のうちに終了いたしました。障害者の選手たちの迫力ある戦いぶりには、私も敬意と大きな感動と感激を抱いたものであります。これからも、障害者の人たちに対して社会が応援をしていくことは、極めて重要であると考えます。  この十一月には、障害者やお年寄りが交通機関をより快適に利用できることを目指す交通バリアフリー法が施行されることになります。これは、駅の利用者が一日五千人以上であれば、ホームの転落防止設備の整備やホームまで車いすで行けるようなエレベーターなどの設置が義務づけられるものであります。  本区においては、高齢化率が既に二二パーセントを超えており、私は駅及び駅周辺のバリアフリー化のための環境整備は重大な課題であると考えます。  現在、本区にはJRの駅が、鶯谷、上野、御徒町、浅草橋駅の四カ所ありますが、JR浅草橋駅は、都営浅草線や区内の北部地域と結ぶ都営バスから乗りかえができる区内でも有数の公共施設であり、多くの区民が利用をしております。しかしながら、JR浅草橋駅の長くて急な階段は、多くの高齢者、身体障害者の利用を妨げており、私は現在の同駅の整備は極めて問題があると考えます。ですから、法律の施行に伴い、浅草橋駅を早期に利用しやすい整備を整えるように、区長は積極的に関係機関に働きかけをするべきだと思います。  区内の重要な交通の拠点である同駅の整備は、地元地域の活性化はもとより、区民全体の利益そして台東区の発展に寄与することは大きく、また乗降客が増加するJR側にとっても、大きな効果があると考えます。  そこで、区長は、JR浅草橋駅のバリアフリー実現に向け、どのように考え、どのように取り組みをするのか、区長の決意をお伺いいたします。  また、この法律は、車両などについてもバリアフリーの義務づけをしております。区民が大変期待をしている循環バスは、来年の運行に向けて準備を進めておりますが、高齢者や身体障害者に配慮した車であるべきだと考えます。区内循環バスにおけるバリアフリーの取り組みについて、区長はどのように推進をしているのか、お尋ねをいたします。  以上で私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(田口治喜 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 河野議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、二十一世紀の区政についてでございます。  まず、将来像についてでございます。  二十一世紀においては、区民と区がより一層力を合わせ、区民中心の生き生きとしたまちを実現してまいりたいと存じております。  次に、重点施策についてでございます。  長期総合計画においては、安心、にぎわい、個性の三つの創造を柱としております。これらの政策目標のもとに、社会の変化に対応した施策を重点的に推進してまいりたいと存じます。  次に、行政計画の成果と評価についてでございます。  平成十二年度までの行政計画につきましては、厳しい財政状況のもと、特別養護老人ホームや生涯学習センターの建設など、計画を着実に推進してまいりました。これらの達成状況を踏まえ、今後、成果の確認をいたしたいと考えております。  次に、今後の計画についてでございます。  行政計画は、長期総合計画を具体化するための三カ年の計画として重要なものと考えております。今後の計画につきましては、行政評価の手法を取り入れ、わかりやすい計画となるよう工夫してまいりたいと存じます。  また、平成十三年度を初年度とする新しい行政計画につきましては、財政健全推進計画の進捗状況を踏まえ、来年度に策定、公表してまいりたいと考えております。  ご質問の第二は、動物との共生についてでございます。  まず、カラス対策についてでございます。  区では、公共施設において、独自に巣の撤去や幼鳥を捕獲するなどの対策を講じてまいりました。えさとなるごみの対策については、ふたつきの容器やネットの使用などの工夫により効果を上げております。また、本年度、東京都も緊急捕獲を実施したところでございまして、今後とも東京都と連携をとって、総合的なカラス対策を進めてまいります。  次に、環境対策についてでございます。
     近年、ペットの愛好者の増加とともに、排せつ物や虐待の問題など、課題も多くなってきていると思います。また、このたびの法律改正により、動物の飼い主の責務が強化されます。区では、飼い主が動物の生命を尊重し、まちの衛生、環境にも責任を持って飼育するよう、指導、PRを徹底してまいります。  最後のご質問は、バリアフリーについてでございます。  まず、JR浅草橋駅につきましては、エスカレーターなどの設備が不可欠と考えております。JRに対して、早期設置を重ねて要望してまいります。  次に、循環バスにつきましては、お年寄りや車いすの方など、だれもが利用しやすい低床バスを導入してまいります。  以上です。 ○議長(田口治喜 さん) それでは、ここで十五分間休憩いたします。   午後四時十八分休憩 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――   午後四時三十六分開議 ○議長(田口治喜 さん) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  十八番清水恒一郎さん。   (十八番清水恒一郎さん登壇)(拍手) ◆十八番(清水恒一郎 さん) 平成十二年第四回定例会に、公明党を代表して、区長と教育長に質問させていただきます。  最初に、路上生活者自立支援センターについて四点お伺いいたします。  全国の大都市の道路、公園、河川敷等の公共の場所で日常生活を送る路上生活者の人たちがふえてきています。ホームレス問題が表面化して、行政が対応を迫られるようになったのは、バブルが崩壊した平成四年以降のことであります。  ホームレスになった原因には、長引く不況による経済の悪化、企業の相次ぐ倒産、家庭の崩壊、家族のきずなや地域の助け合いの喪失というものもありますが、最大の原因は失業であります。不況に加え、機械化、省力化で仕事が減り、これまで簡易宿泊所から日雇いに出ていた人々が失業で収入を失い、宿泊代を払えず、路上生活になってきています。  現在では、ホームレスの人数は全国で二万人を超えたと聞いております。そのうち九割が大阪、東京、横浜、川崎、名古屋の五都市に集中しています。二十三区では約五千七百人であり、台東区では約千三百人の人たちがいます。  この問題を解決するために、国の関係省庁や大都市による「ホームレス問題連絡会議」が発足し、昨年の五月に当面の対応策が打ち出されました。ホームレスの個別の事情に応じ、就労の支援、医療・福祉の援助、社会的自立の支援等が決まり、国の財政支援によりホームレス対策の拠点として、自立支援センターを全国に二十カ所つくることが決定いたしました。東京二十三区としては五カ所の設置が、都と区の合意で決定いたしました。  この自立支援センターは、ホームレスのうち就労の意欲と能力のある人たちを一定期間宿泊させて、食事や衣類などを提供し、健康や職業に関する相談を行って、就労による自立を支援する施設であります。  今年七月に都と二十三区の区長の間で結ばれた協定に、その設置と運営に関する規定が定められています。それによると、この事業は都と特別区が共同で実施し、施設設置と運営の費用は半分を都が、残りを二十三区が均等に負担する。施設の建設は都が、管理は二十三区が行うことになっております。センターとして実施する自立支援事業のうち、職業相談と住宅相談を都が行い、宿泊援護と生活相談は二十三区が、特別区人事・厚生事務組合を通して共同で行うことになっております。  自立支援センターは、区部の五ブロックに各一カ所とし、ブロック内のホームレスの多い区から設置することが特別区の区長会で合意し、平成十二年度に台東区、新宿区の二区が設置を決定いたしました。平成十三年度に渋谷区、豊島区、墨田区の三区が設置することになっていますが、恒久的な施設とはせず、一区当たりの設置期間は五年程度として、ブロック内の他区に順次移していく等となっています。  協定に基づく十二年度のセンター設置は台東区、新宿区であります。センターが設置される場所は、台東区上野公園と新宿区百人町の二カ所であります。台東区の施設は、鉄骨プレハブの二階建てで、定員百四人。この十一月七日に入所を開始いたしました。一方、新宿区の施設は民間の宿泊所を借り上げて開設、定員五十二人で、十一月十七日から入所できる予定と聞いております。都と区で検討が始まってから、実施の合意まで六年半を要しました。  そこで、区長にお伺いいたします。  第一に、支援センター第一号決定までの都と区の取り組みの経緯とホームレス問題の現状について、どのように認識をされておられるのか、ご所見をお伺いいたします。  第二に、経費についてお伺いいたします。  事業の経費は、東京都と特別区が負担することになっています。平成十二年度の自立支援センター台東寮の経費は、総額で二億三千四百万円、内訳は建設費一億三千五百万円、施設運営費は九千六百三十万円、事務諸経費が二百七十万円となっています。このうち国からの補助金は二千八十五万円で、残りを東京都と特別区が二分の一ずつ負担いたします。特別区は二十三区が均等に負担をいたします。東京都は一億六百五十七万円、特別区は一区当たり四百六十三万円の負担になりますが、向こう五年間の負担金は幾らになるのでしょうか、お聞かせください。  第三に、平成十三年度の設置予定である渋谷区、豊島区、墨田区の三区についてはどのような状況になっているのか、お聞かせください。  第四に、自立支援センターを実施する都と区の役割について、協定以外に区が将来役割を担うものがあれば、協定の見直しは可能であるのかどうか、お聞かせください。  次に、教育問題について、教育長に四点お伺いいたします。  最初に、不登校、いじめについてお伺いします。  一九九九年度中、病気などの理由がなく、「学校に行かない」あるいは「行くことができない」不登校の小・中学生が十三万人を突破し、過去最高を更新したことが文部省の公表した「学校基本調査速報」でわかりました。中学校では生徒四十一人に一人、小学校は児童二百八十八人に一人の割合で不登校になっております。調査結果によりますと、年間三十日以上の長期欠席をした児童・生徒数は、小学校で約七万八千人、中学校で約十四万三千人であり、このうち不登校は小学校で二万六千四十四人、中学校は十万四千百六十四人となっております。  また、いじめによる自殺等の悲劇も後を絶ちません。加えて、ここ数年間の十代の少年による殺傷事件が続発をしております。本年に入ってからも、十七歳の少年による主婦殺害や高速バス乗っ取り事件等が日本じゅうを震撼させております。  二十一世紀を目前にして、今改めて教育にスポットが当てられています。そこで、教育長にお伺いいたします。  本区のいじめや不登校のここ数年間の状況はどのようになっているのか、お聞かせください。  その対策として相談窓口の充実やあしたば学級での対応や、平成十一年度から全中学校にスクールカウンセラーを配置してまいりましたが、その効果はどのようにあらわれているのか、教育長のご所見をお伺いいたします。  次に、豊かな心を育てる教育についてお伺いいたします。  第一に、これからは画一的な知識教授型の教育から多彩な知恵創出型の人間教育への転換が大事であると思います。子供たちが学校の中のみでなく、広く社会や地域の中で、多種多様な人たちから「生きた教育」を学べるような仕組みと環境をつくることが大切であると思います。職業経験、社会経験、人生経験の豊かな大人たちとの触れ合いは、子供たちにとって大きな触発となり、生き生きとした体験学習となってまいります。また、その中から礼儀や思いやりといった人間としての基本がはぐくまれていくと思います。  第二に、学歴社会の打破が必要であると考えます。学歴にとらわれることなく、生涯にわたってだれもが学ぶ機会を得る仕組みを拡大することが大事であると考えます。  教育長に、豊かな心を育てる教育についてのご所見をお伺いいたします。  次に、体験学習についてお伺いいたします。  現代の子供たちに見られる傾向として、特に人間関係の希薄化や自己中心的な行動はよく指摘されます。また、受験競争の激化の中で、試験に関係するもの以外はさほど関心を持たない子供たちがふえてきています。さらには、テレビやゲーム、インターネットなどのバーチャルな世界に没頭する余り、現実の世界での感覚が麻痺したり、現実と没交渉になってしまうケースも見られます。社会や自然とじかにコミュニケートしていくにはどうすればいいのか。昨今の論議の中で、子供たちにボランティアなどの活動を経験させる必要性を訴える意見も出ています。  私は、体験学習を単発的なものに終わらせずに、継続性を持った定期的な活動として行っていくべきと考えます。具体的には、地域に住む人々と触れ合いながら共同で作業したり、リサイクル活動のように、何か社会に還元できる達成感のある活動や、緑化作業、自然保護の活動のように、成果が後々まで形として残るものがいいと考えます。  最近、青少年の犯罪が多発する中で、子供たちの暴力性や攻撃性の高まりが問題視されていますが、何かをつくり出す建設的な活動に取り組む中で、心身のバランスのとれた成長が図られていくと思います。そのためにも、ボランティア活動を初め、社会での実体験を教育のカリキュラムに取り入れることが重要であると考えます。  奈良県では、本年九月より「いきいき・なら体験事業」を実施いたします。対象は公立中学校の二年生全員に、企業などの職業体験や福祉施設での介護、保育所での保育などを三日間程度持続して体験してもらい、こうした現場でのボランティア活動や交流活動を通して、「地域社会の一員としての自覚」「思いやりの心の育成」「社会性や規範意識の育成」を図り、心の教育の充実を目指しています。  また、兵庫県の全中学校では、一九九八年から職業体験学習が実施されています。「トライやる・ウィーク」と呼ばれ、中学校二年生で、一週間にわたり地元の協力を得て、希望する職業体験やボランティア活動を経験させるものであります。生徒たちは、スーパー、建築現場、町工場、レストラン、福祉施設、警察、病院などで生き生きと働いたそうであります。  全国各地でこうした真剣な試みがなされていますが、奉仕活動や職業体験そして地域の人たちとの触れ合いの中から、子供たちは教室での勉強からは得られない大切なものを学び取っていくことができます。  そこで、お伺いいたします。社会での「実体験」を通して、人間性を養うための体験学習の本区の現在の取り組みについてお聞かせください。  さらに、今後地域の人たちの協力のもとに、奉仕活動、自然体験や職業体験、ボランティア活動等をどのように進めていかれるのか、教育長のご所見をお伺いいたします。  次に、教育改革についてお伺いいたします。  現在、教育の危機が叫ばれる中で、文部省の各種審議会に加え、本年三月には総理の諮問機関として教育改革国民会議が発足し、総合的な角度から教育改革についての方向性が検討されています。  日本は敗戦という未曾有の体験を経て、それまでの封建的道徳を捨て、民主主義社会へとシステムを変えましたが、それとともに、人間として当たり前のモラルをも捨ててしまったように思います。戦後五十年もの間、我が国は子供たちに善悪の判断の基準となるモラル教育を怠ってまいりました。これほど長い間モラル教育をしなかった国は例を見ないとまで言われています。  日本の社会は、明治以来、欧米に追いつくことを大きな目的としてまいりました。そして、教育の目的も、日本経済の成長に役立つ人材の育成のためとか、国家や組織に役立つ人間を育てるためだとか、教育の手段化がなされてきたのではないでしょうか。衣食住が充足されて、物質的な目標が加速度的に達成されてきつつある成熟社会を迎えた今日、人生は何のためにあるのかが厳しく問われる時代になってきています。「人間は教育によって人間になる」との言葉があります。教育を手段とするのではなく、教育そのものを目的とした社会、教育のための社会をどう構築するかという発想の転換が大切なのではないでしょうか。  教育改革の目的をどう認識されておられるのか、教育長の見解をお伺いいたします。  次に、結核予防対策についてお伺いいたします。  結核は、かつての我が国の国民病と言われていましたが、生活水準の向上、医療・医学の進歩、また結核対策の推進等により、その患者数は年々減少してまいりました。ところが、平成九年になり、新規発生結核患者数が三十八年ぶりに増加に転じてしまいました。また、学校、病院や老人関係施設等での集団感染が続発し、社会問題となっております。  本区における山谷地域の日雇い労働者の人たちには、循環器系、消化器系、骨格系の疾病が多く見られます。食生活を初め、不規則な生活習慣や非衛生環境、さらには長年の肉体労働による心身の酷使により、これらの疾病にかかる可能性が高くなっています。そして、バブル経済による経済不況、企業の倒産などによるリストラ、失業がふえ、本区においても住所不定の人たちが増加してきております。そういった中で、結核対策はますます重要な課題になってきております。  こういった生活条件に恵まれない山谷地域を抱える台東区では、結核の患者数が我が国の平均値や東京都内の他の区に比べて非常に高くなっております。人口十万人に対する新規の結核患者数は、台東区百三十三、東京都三十八、全国四十二であります。本区では、これまでの結核対策特別促進事業などの結核対策とともに、治療中の自己退院や外来通院を中断する等のおそれのある患者に対しては、東京都と連携し、短期化学療法による直接確認による治療の事業を進めてまいりました。  そこで、区長にお伺いいたします。  第一に、今年度新たに実施した結核検診事業とその成果についてお聞かせください。  第二に、結核患者の早期発見、早期治療と結核患者の治療完了と管理の徹底について、今後どのように進めていかれるのか、区長のご所見をお伺いいたします。  最後に、区長の区政運営に対する決意についてお伺いいたします。  長引く不況に伴い、景気の低迷は続いています。また、税収等の落ち込みなどは今まで以上に深刻さが増し、本区においても財政状況は非常に厳しいものとなっています。  そうした中で、今後は、(仮称)生涯学習センターの建設、(仮称)上野駐車場建設などの継続事業や介護保険や清掃事業の実施により、本区の行政需要はますます増大の傾向にあります。しかし、基幹税目である特別区民税等の大幅な増収は期待できない状況であります。また、各種基金や区債の活用にも限りがあります。そう考えますと、本区のこれからの財政運営はさらに厳しくなるものと考えられます。  平成十年度の長期計画において、「いきいき多彩・下町たいとう」の実現を目指してこられましたが、いよいよあと五十三日で二十一世紀を迎えます。新しい世紀に向け、区長の新たな区政運営の決意をお伺いし、私の質問といたします。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田口治喜 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 清水議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、路上生活者自立支援センターについてでございます。  まず、経緯につきましては、平成八年、都区検討会から報告を受け、その後、都と特別区との間で協議を進め、本年七月、都区協定書を交わし、今日に至っております。  また、路上生活者問題の認識については、ここ数年増加傾向にあります。深刻に受けとめております。今後、都と就労や衛生などの対応策について、積極的に協議を重ねてまいります。  次に、センター管理運営に伴う今後の財政負担ですが、十三年度、他区に三カ所増設する予定のため、定員規模等、詳細が決定次第お知らせいたします。  次に、平成十三年度の設置についてでございますが、現在、都と三区の間で早期開所に向けて協議を進めている状況でございます。  次に、協定書の見直しについてでございますが、内容に疑義が生じた場合には、必要に応じ見直しできることになっております。  ご質問の第三は、結核予防対策についてでございます。  結核予防対策は重要な課題であり、これまで早期検診や高齢者施設の検診などの結核対策特別促進事業を進めてまいりました。さらに、今年度は路上生活者等を対象に、上野公園と隅田公園においてコンピューターシステムを用いて、その場で診断できる検診を実施して、患者を発見することができました。今後も、結核患者の早期発見・早期治療に努めるとともに、患者が治療を完了できるように徹底を図ってまいります。  最後の質問は、二十一世紀へ向けての決意についてでございますが、地方分権の推進や情報技術の進展など、二十一世紀を目前にしたさまざまな変化を、私は新たな発展と飛躍の好機としてとらえております。私は、強固な財政基盤を確立するとともに、地域特性を踏まえた独自の施策を展開し、より一層区民福祉の向上を推進してまいります。  教育問題については、教育長がお答えいたします。 ○議長(田口治喜 さん) 次に、教育長の答弁を求めます。  教育長。   (番外教育長隈部 孟さん登壇) ◎教育長(隈部孟 さん) 清水議員の教育問題についてのご質問にお答えをさせていただきます。  ここ数年間の本区の学校におけるいじめの状況につきましては、小・中学校ともに発生しておりますが、いずれも九〇パーセント近くが解消をしております。また、不登校につきましては、小学校では増減を繰り返しており、中学校では最近増加傾向にあります。  次に、いじめや不登校に対する施策の効果についてでございますが、いじめ電話相談及び教育研究所の教育相談の相談件数が年々増加傾向にあり、有効な活用が図られております。  あしたば学級につきましては、入級児童・生徒が微増し、さまざまな活動を通じて自立心の育成や学校復帰が図られております。  また、中学校に配置したスクールカウンセラーにつきましては、学校や生徒、保護者から大変喜ばれております。  次に、豊かな心を育てる教育についてお答えをさせていただきます。  私は、豊かな心は生きる力の一つの核をなすものと認識をいたしております。現在、本区におきましては、触れ合い学習やさまざまな体験学習を通じて、子供たちの心をはぐくむ取り組みを進めているところでございます。今後とも、より一層心を育てる教育の充実に努めてまいりたいと存じます。  次に、体験学習についてお答えをさせていただきます。  現在、各学校・園におきましては、地域の清掃活動、リサイクル活動、高齢者や障害のある方々との交流などの勤労や福祉にかかわる体験学習、自然体験、職業体験など、創意工夫された多様な体験学習が実施されております。今後、総合的な学習の時間などを積極的に活用して、特色ある学校づくりの中でも取り組む課題とするなど、より継続的な学習ができるよう、条件整備に努めてまいりたいと考えております。  最後に、教育改革についてでございます。  あすの台東区を考えるとき、私はよりよい教育環境を整え、次代を担う子供たち一人一人が思いやりの心や人が生きていく上での当然の心得を持ち、生きる力を身につけていくことが必要であると考えております。  そこで、私は、子供たちが生きる力をはぐくみ、一人一人の個性を生かせる教育を実現するため、特色ある学校づくりの推進、小・中学校の適正規模適正配置の実現、学校と家庭、地域社会との連携の促進等に積極的に取り組んできたところであります。  今後におきましても、新しい時代に向けて本区の生涯学習社会の実現を目指して、かつ教育改革を推進するため、地域特性を生かした教育ビジョンを策定し、その中で本区の教育のあるべき姿や方向性等について明らかにしてまいりたいと存じますので、よろしくご理解いただきたいと思います。 ○議長(田口治喜 さん) 二十番杉山光男さん。   (二十番杉山光男さん登壇)(拍手) ◆二十番(杉山光男 さん) 私は、二〇〇〇年第四回定例区議会に当たり、日本共産党台東区議団を代表して、五つの質問をいたします。  今議会は、二十世紀最後の台東区議会定例議会になります。新しい世紀二十一世紀まであと五十三日、飯村区長は二十一世紀に向けて、台東区民にどんな展望を示そうとしておられるのかを、まずお尋ねをいたします。  二十世紀の最後は、長期の展望のない不況にすべての区民が苦しんでいます。六百四十五兆円を超える財政赤字と、それを理由にした福祉の切り捨てと増税、相次ぐ内閣幹部の不祥事による辞任、国際的信用をますます失墜した、いわゆる「拉致疑惑」をめぐる交渉経過、台東区をも舞台とした信用保証協会をめぐる事件、区内の中小業者の多くが加入するKSD疑惑などなど、区民と国民の怒りは頂点に達しています。森内閣の支持率は末期的な一〇パーセント台となり、長野県知事選挙と衆議院東京二十一区補欠選挙の結果は、国民の思いを端的にあらわしました。  日本共産党は、今月二十日から第二十二回党大会を開きますが、大会決議案で、二十世紀の百年を総括し、十九世紀末までは戦争に勝った国が領土を拡張するのが正義であった時代から、戦争は不正義であり、国際紛争は話し合いで解決することが国連憲章で定められるまでに至った人類社会の進歩を高らかにうたい上げています。
     同時に、アメリカを先頭とした核兵器の危機と侵略的な軍事同盟、グローバル化による経済格差の拡大、地球規模の環境悪化などの問題点、とりわけ日本では、長年の自民党政治によるゼネコン型政治経済が完全に行き詰まっていることを厳しく指摘しています。  そして、当面の日本では、少なくとも欧米並みの当たり前の資本主義のルールを確立すること、そして二十一世紀には、民主的で平等な国民の共同社会をつくる展望を明らかにしています。  飯村区長、あなたは二十一世紀も区民の暮らしと営業を守る責務を持つ地方自治体の責任者として頑張って努力をされるおつもりなら、二十一世紀の台東区政の方向と展望を改めて区民に示すべきであります。区長の明快な答弁を求めます。  第二に、財政健全推進計画の取り組みについて質問いたします。  最初に、十月二十五日の企画総務委員会で明らかにされた、団体の運営や実施する事業に対する補助金などを一律一五パーセントを削減する基本方針についてであります。  これまで補助金等が支給されている区民の団体は百九十八団体で、補助金の合計は三億六千四百九十三万一千円。その一五パーセント、五千四百七十三万九千円をカットしようとするものです。支給されている百九十八の団体や補助金を見ますと、戦後間もなく組織され、今日においてはその必要性が薄れた団体、補助金、同じ団体にもかかわらず、連合体としての下部組織にも補助金が支給されている団体、また区からの補助金を受けている団体から分担金を受けている団体、また事業費に対する補助金、議会の調査研究費等々、その性格も内容も多種多様であります。  財政健全化の観点から補助金を見直すのは当然のことでありますが、今回の一五パーセント一律カットの方針は、真に必要な補助金であるかどうかの吟味を全く放棄した、行政の怠慢としか言いようがありません。補助金のカットを検討するのであれば、一律一五パーセントなどという乱暴な手法ではなく、補助対象のすべての団体、活動、事業の内容をつぶさに吟味し、また関係者の意見も聞いた上で、カットするものはカットする、反対に必要なものは増額するのが当然ではないでしょうか。区長の所信をお尋ねいたします。  二点目に、施設使用料の大幅値上げについてお尋ねいたします。  受益者負担の見直しとして、区民館などすべての施設を対象に、利用料金を大幅に値上げしようとしているのであります。新たに利用料を算定する根拠に、土地建物費、初度調弁費その他を基礎として、現行料金の三割を上限に値上げする方針が示されました。また、その性格から、これまで利用が無料とされていた社会教育団体にも五割の負担が計画されています。  ちなみに、九十二億円の税金を投入して、ことしの七月に完成した浅草地下駐車場の利用料金は、こうした原則が適用されるのであれば、現行一時間当たり四百円の利用料が二千円にもなり、新たな算定根拠には無理があります。  さらに、区民施設は、民間企業と違って区民の税金によってつくられたもので、区民全体の財産であります。区民施設は憲法に基づく二十一条の集会、結社の自由など、民主主義を保障する施設であり、二十五条の健康で文化的な生活を保障する施設であり、地方自治体は、できるだけ気軽に利用できる低廉な利用料の区民施設を提供する義務があります。  こうした施設では、区民が学習の場に、地域のコミュニティの場に、スポーツの場に有効に活用しているものであり、参加している人たちはお医者さんにかかる機会は少なく、健康保険財政の健全化に大きく貢献しているのではないでしょうか。こうした視点が欠落した見直しの基本方針は、撤回すべきであります。区長の見解を伺います。  受益者負担を持ち出すのであれば、NTTや東電の道路占用料に見られる、明らかにそれによって大きな利益を得ていることが明白な事例にこそ、適切な料金設定をすべきであります。また、駅周辺の放置自転車対策に対する経費は、鉄道事業者自体の利益につながるものであります。受益者負担を理由に、区民に大幅な利用料金値上げを押しつける前に、こうした企業からも適切な料金を徴収すべきであります。  第三点目は、財政健全化の基本的な考え方についてであります。  財政危機を理由にしての高齢者の医療費値上げが行われ、またシルバーパスの有料化が強行されました。台東区でも、百一事業で四億六千万円の区民負担が押しつけられていますが、根本的な解決にはなりません。  財政健全化の基本は、これだけ悪化させてきたバブル時代同様のゼネコン型公共事業を見直すことが、国も都も台東区も避けられません。その最たるものが、二百二十六億円以上の税金を投入する上野地区地下道・地下駐車場であります。この事業を聖域にして財政危機を幾ら声高に叫んでも、区民は本気にするでしょうか。百歩譲って、どうしても駐車場が必要だというなら、巨額な税金を使わずにできる方法はないか、改めて知恵を絞って考えるべきであります。今進み出した御徒町の新たな駐車場建設計画のように、税金は一銭も使わずに、反対に貸付料がこの収入となる方法もあります。大型公共事業を推進する国・都の言いなりにならず、台東区の行財政のあり方を根本的に転換させるべきであります。  第三に、JR東日本による上野駅構内への大規模なショッピングセンター開設について、重ねてお尋ねをいたします。  問題は、JR東日本が上野駅構内に七千平米以上と言われる大規模なショッピングセンターを計画し、既に工事を開始しているにもかかわらず、その対応を明らかにせず、秘密裏に進めていることにあります。余りのことに、台東区議会や台東区も要望書を提出するという異例の事態になっています。にもかかわらず、JRは一体どんな業種が出店するのか、店舗面積が幾らになるのか、その全容をいまだに明らかにしておりません。  大型店立地法は、店舗面積千平米以上の出店には都への届けを義務づけ、駐車場や駐輪場の設置などを義務づけています。ところが、JR東日本は、新規に展開するショッピングセンターを、通路で面積千平米以下のブロックに分け、大型店立地法に抵触しないよう脱法手段をとっています。区民常識から見れば、脱法手段は明らかでありますが、問題は東京都もJRのこそくな手段を容認しているところにあります。こうしたときに、台東区が本当に上野駅周辺や区内中小商店の立場に立って、JRと対置しているかが問われているのであります。  横浜市は、立地法の規制を逃れるために、店舗面積を千平米をわずかに下回る出店を計画した大型店に対して、旧法の「おそれあり届け出」としての意見を神奈川県知事に提出し、神奈川県は横浜市の申し出を合理的であると判断し、調整手続を開始する事例がことしの春にありました。この事例からも、台東区がJR東日本の手法は脱法的なものであり、「おそれあり届け出」的意見を都知事に提出することが急がれます。区長の見解を伺います。  また、東京都が立地法に抵触しないという見解をとるのであれば、台東区としても、少なくとも立地法の精神を適用するための条例、要綱を制定すべきではないでしょうか。既に、各地方自治体で要綱を制定をしておりますが、そのほとんどは店舗面積を五百平米に引き下げ、さらに横浜市では、駐車場の設置台数を立地法で定める五倍を義務づけています。  要綱の制定は、地元商店の営業活動も規制するなどの意見もあるようですが、一定以上の資本金で規制する範囲を限定するなどの内容を含めれば、大企業だけを対象にすることはできます。区長の積極的な対応を求めます。  第四は、皮革履物産業対策であります。  台東区の地場産業は、不況と大量の革靴輸入により壊滅の危機に直面し、北部地域経済をも冷え込ませています。革靴の輸入総量は、既に国内生産を大きく上回っておりますが、世界各国では、自国の産業を守るため、輸入を制限するセーフガードを発動している例が少なくありません。日本の皮革履物産業の窮状を最もよく知る飯村台東区長が、率先して政府に対して、セーフガードを発動し革靴の大量輸入を制限するよう、改めて求めるべきではないでしょうか。まず、お尋ねをいたします。  さらに、「浅草の靴」らしい特色を出した振興策についてであります。  ファッションフェア関連のブランド展開も、さらに努力が必要でありますが、零細な業者も展開できる「日本人に合った靴づくり」「健康によい靴づくり」は、「浅草の靴」としてのテーマになり得るのではないでしょうか。  もともと右足と左足は同じ大きさではありませんが、靴はすべて左右同一サイズでつくられていますし、外反母趾で苦しんでいる人も少なくありません。さらに、障害者が履きやすい靴や、障害者が履きやすくても、冠婚葬祭などフォーマルにまたおしゃれな靴はほとんどありません。  このテーマは最近注目を集め、通産省の補助を受けての研究、都の皮革技術センターでも、二年にわたる研究レポートを出しています。また、ファッション雑誌でも取り上げられるようになってきました。また、一人一人の足を採寸し、木型を修正して、その人のための靴をつくる零細な業者も営業を始めています。  しかし、シューズフィッターの講習、資格試験も民間ベースで行われていますが、この面での理論・技術は確立されているとは言えません。「浅草の靴」らしい特色を出していく振興策として、この分野での技術研究、講習を都とも協力しながら、積極的に展開をしていくことが必要ではないでしょうか。  関連して、東京都との連携強化についてであります。  これまで、区産業研修センター、都産業労働会館、家内労働分室、商工会議所花川戸分室、東都製靴工業組合、東京履物工協議会など、区内に事務所を持つ関連団体の連携強化の必要を私どもは訴えてきました。ことし七月に発表された東京都の産業振興ビジョンでは、靴産業の振興に関して、「地元自治体と協力しながら」の文言が初めて明記をされました。区産業研修センターも、貸し館業務が中心のこれまでのあり方を抜本的に変え、花川戸に移設する都の靴学校と技術センターとの連携を強め、技術開発や指導も含めての新たな展開が必要です。区長の所信を求めます。  第五に、介護保険問題について質問をいたします。  介護保険制度が発足して半年、十月からは六十五歳以上の高齢者に対して保険料徴収が始まり、介護保険の矛盾と問題点が噴き出しています。我が党は、これまでたびたびこの問題を取り上げてきました。  一点目は、介護保険料と利用料の軽減措置についてであります。  介護保険の実施以降の最大の問題点は、介護サービスの利用料負担が重いために、必要なサービスを受けることを抑える年寄りが続出していることです。  日本経済新聞が十月に行った全国的な調査によっても、そのことが明らかにされました。それによると、二十三区も含む全国六百六十九市区で行った自治体調査の結果、介護保険の在宅サービスの支給限度額に対する利用率は平均三八パーセントと、極めて低率な現状が浮き彫りとなりました。利用しない理由が「利用料の負担が大変だから」という結果は、深刻であります。台東区の場合も、四一パーセントと、利用限度額が使われない問題を抱えていることに間違いありません。私ども日本共産党区議団の調査でも、「幾ら利用料を払わなければならないかを考えて、受けるサービスを決める」という区民が少なくありませんでした。  介護保険制度の本来の目的は、家族介護の負担を軽減すること、「介護の社会化」を推し進めることです。介護保険制度を円滑に進めるためには、利用料負担の軽減が欠かせない課題となっています。  この十月からは、高齢者の保険料徴収も始まり、矛盾はさらに深刻化しています。「年金だけで生活しているため、介護保険料の支払いが本当に苦しい」などの苦情や不満が各自治体の窓口に殺到しています。当区の場合も、「年金から天引きするなど認めない」などの高齢者本人や家族からの苦情は五十件程度とのことですが、二十三区で最も高齢者比率が高く、非課税世帯が二割の実態を考えれば、事態は深刻であります。  また、民間の訪問看護センターやホームヘルパーさんの収入が半減している事実を区長はご存じでしょうか。ここにも制度の不十分さと利用料の高さによる介護サービスの抑制があらわれています。  全国で噴き出る深刻な負担増と利用抑制は、当初から危惧されていたことでした。全国市長会が、「制度施行後の現在においても、なお多くの問題がある」として、国に制度の改善を強く求める決議を上げるのも当然なことであり、国の責任は重大であります。  介護保険の負担に追い打ちをかけるように、十一月一日、国会において自民、公明、保守の与党三党によって、健康保険法改悪と医療法改悪が強行採決され、七十歳以上の高齢者の医療費に一割の定率負担を導入するなど、国民への負担増を決めました。  このようなもとで、「介護サービスは後退させない」と、厳しい財政状況の中でも、保険料・利用料の独自の軽減措置を実施する区市町村が各地で相次いでいます。千代田区では、独自の減免対策の検討に入りました。こうした自治体は、全国で三百を超し、全都では二十三自治体にも及んでいます。  介護保険の制度運営について、第一に国に大きな責任があることは言うまでもありません。しかし、実際に介護保険の加入者や介護を必要とする人と接しているのは基礎的自治体です。この自治体の役割は、助力が必要な人たちに素早く温かい行政の手を差し伸べることです。「国がやらないのなら区でやる」という態度が求められているのではないでしょうか。  日本共産党区議団は、最も高齢者人口比率が高く、かつその二〇パーセントは住民税非課税である台東区の実態からも、利用料・保険料の減免について、区長に最小限の政治の責任であると決断を求めてきました。区長は、国の行う制度に基づくという姿勢にこれまで固執してきましたが、今こそ区独自の軽減策を検討すべきであると考えます。  当面、緊急の対策として、第一段階の高齢者に対する保険料の免除措置を講じること、第一、第二段階までの高齢者に対して、在宅サービスの利用料を三パーセントに軽減する措置をとるべきと考えます。区長の見解を求めます。  二点目は、介護保険予算の見通しであります。  この九月までの介護実績は、住宅改修、福祉用具購入を含めて、年間予算の九〇パーセントにとどまっています。この傾向は今後も大きく変わるとは思えませんので、このまま推移すれば、年間五億円以上の黒字になると私どもは推計しています。区長はどのようにお考えでしょうか。  また、予算委員会で明らかにされたように、介護保険の導入によって、一般施策を大きく削減したための財源は四億四千万円、合計すると十億円にも達し、これは現行の保険料を五百円程度も引き下げることができるだけの財源に匹敵をいたします。少なくとも低所得者への利用料・保険料の軽減を台東区独自でも実施できる財源の裏打ちは存在することは明白ですが、区長の見解を求めます。  以上で私の、日本共産党台東区議団を代表しての区政一般質問を終わります。(拍手) ○議長(田口治喜 さん) 区長の答弁を求めます。  区長。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 杉山議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、二十一世紀への展望についてでございます。  地方分権の時代を迎えて、今まで以上に地域特性を反映した行政運営が重要であると考えております。私は、二十一世紀を目前にして、強固な財政基盤を確立するとともに、個性豊かな施策の展開を図り、より一層区民福祉の向上を推進してまいります。  ご質問の第二は、財政健全推進計画の取り組みについてでございます。  まず、補助金の見直しについてでございますけれども、さまざまな角度から検討を進めてまいりましたが、財政の健全推進に幅広くご協力をいただくため、一律一五パーセントの縮小をお願いしております。  次に、施設使用料の見直しにつきましては、区の施設を利用する方には、適正な負担をしていただくという観点から行っており、着実に推進していく必要があると考えております。  なお、道路占用料等につきましては、適宜見直しを行っているところであります。  次に、財政健全推進の基本的考え方につきましては、効率的な行政運営を確立し、新たな課題へ柔軟に対応するために、財政健全推進計画においては、推進すべき事業と見直すべき事業を明確にしており、推進すべき事業につきましては、着実に実施してまいります。  ご質問の第三は、JR上野駅の商業施設についてでございます。  まず、JR東日本の対応につきましてでございますが、店舗面積や業種等の詳細を早急に明確にするよう要請しているところでございます。出店内容が明らかになり次第、適切に対応してまいります。  区独自の条例・要綱についてでございます。  区では、現在の商業環境や消費者ニーズなどを総合的に判断すると、当面、独自の出店規制措置は困難であると考えております。なお、今後地域の生活環境に影響を及ぼす場合には、必要な措置について検討してまいります。  ご質問の第四は、皮革履物産業対策についてでございます。  まず、セーフガードについてでございます。  区では、関税率の引き下げが区内の皮革産業に与える影響を業界とも十分に協議し、必要な場合は、都を通じて国へ要望してまいります。  次に、「浅草の靴」の振興策についてでございます。  厳しい競争に打ち勝つためには、特色のあるモノづくりが必要です。区といたしましては、付加価値を高める企業活動を積極的に支援しているところでございます。議員ご提案の分野の技術研修や講習については、今後検討してまいりたいと存じます。  次に、都の皮革技術センターなどとの連携についてですが、これらの施設は引き続き区内で事業を継続することとなりました。本区の研修センターや都の施設が十分連携をとり、皮革産業の振興に寄与するよう努めてまいります。  最後の質問は、介護保険についてでございます。  まず、低所得者の対策についてでございます。  国の特別対策等により、低所得者については一定の軽減が図られているところでありますが、全国一律の基準により必要な施策を講ずるよう、国へ要望しております。区独自の施策については、介護保険事業計画の見直しの際に検討してまいりたいと考えております。  次に、給付費につきましては、実績に応じ国・都負担金等が交付されることとなっております。執行残がそのまま剰余金となるものではございません。また、一般財源をご提案のように低所得者対策に投入することは考えておりません。  以上です。 ○議長(田口治喜 さん) 五番堀越秀生さん。   (五番堀越秀生さん登壇)(拍手) ◆五番(堀越秀生 さん) 質問に先立ち、一人会派でありながら「自由党」と名乗らせていただけることを、議長、各会派の先輩議員に感謝いたします。ありがとうございました。  私も議員になり、はや一年半がたちました。それまでは普通の区民であったのに、今では当たり前のように議会用語を使い、清新な初志を忘れた感があります。この際、原点に立ち返り、普通の区民の視点で区政を見るべく、率直に行政の思いを聞きたいと思い、区民の皆様と今回の質問に臨みました。  さて、区長。区長は我々同様住民が直接選挙で選んだ民意を反映した政治家であります。地方自治体の長は、大統領のように議会と対峙した行政の長として、絶大な権限があります。台東区の区政のリーダーとして議会に呼びかけ、議会、区民をリードして新しい時代の台東区の姿を夢を持って語れる資格があるのです。  しかし、行政職員に遠慮してか、区長の独自のビジョンや熱き思いが最近伝わってきません。区長、選挙で選ばれた我々政治家が区政をリードして花火を上げなければ、一体だれがこの台東区の夢を語るのでしょうか。区長が一番なさりたい最優先独自政策を教えてください。私が学生のころ見たような熱き政治家、飯村恵一氏の思いを、私は議員の一人として応援いたします。  次に、行政と議会、区民の関係について質問します。  区民と議会の間に立って、行政職員は日夜忠実な法的事務執行官として励んでいます。議員と区民の両方に気を使いつつ、適切な行政指針を示し、それを忠実に執行しています。が、我々議員の力不足なのか、区民の要求が多様なのか、しばしば行政職員は区民と議会の意見相違の狭間に立たされるようです。  その原因は、多分「議会に対する行政説明」と「区民に対する行政説明」において、両方の立場に気を使い、その苦しい立場上、ニュアンスに微妙な違いが感じられる言い回しを行政がしてしまうことにあるのではないでしょうか。それは、本来議会で決めたことを忠実に執行する行政の役目を越えて、区民の意見の地ならしとも言える調整作業まで行政が背負わされているからではないでしょうか。  区民への政治判断・調整は、行政職員にとってみれば職務権限外のことであり、自由党党首小沢一郎の言うとおり、民意の審判を受けていない行政が政治判断することは、選挙で選ばれた人間が政治をつかさどる代議制民主主義の精神にも反するものと感じます。政治判断・政治表明をしなくてはいけない我々議員が、自分を初めとして職務を全うしていないから、行政の仕事が増大したのでしょうか。  この際、行政には本来の責務である議決された法的事務の忠実な執行に全身全霊を傾けていただきたい。そして、議員がはっきり自分の意見を言って区民をリードし、議会主導、政治主導で区政の将来の流れをつくろうではありませんか。  区民の意見をあらかじめ議会はよく聞き、政治判断をして区政の指針を決定すること、そしてそれを受けて、行政が区民に対してその決定を忠実に執行していくという民主主義の当たり前の関係ができれば、区民と議会の乖離は避けられるのではないでしょうか。  そこで、区民、議会が連携して区政を運営するために、行政、区長に三点質問します。区長の答弁をお願いいたします。  一つは、議会に対する行政説明と区民に対する行政説明とでは、ニュアンスに微妙な違いが感じられます。共通の文書を配付する等、双方に対し同一の文言で説明することはできないでしょうか。  次に、区民との意見交換の制度としてある公聴会や参考人招致は、十分活用されていると区長はお考えでしょうか。これは議会、委員会の問題でもありますが、区長のご意見をお伺いいたします。  三点目は、その公聴会等を利用して、区民の意見、要望を聞いた上で、行政施設の建設や設置案を立案するという主権在区民の仕組みができないかということです。区民と議会の乖離を避ける意味でも、ぜひよろしくお願い申し上げます。  次に、財政健全化について一点質問します。  財政厳しき折、補助金カット等、区民・議会の双方に新たな提案がなされています。決定はもちろん我々議会の予算審議にゆだねられているわけですが、その前に、行政の長である政治家飯村区長にお聞きします。  さらなる財政悪化が起きた場合、人事院勧告を尊重しつつも、行政の給与並びに職員の福利厚生等に、現状のカットよりさらに踏み込んで政治的決断をするお考えはあるでしょうか。行政も区民も議会もともに身を削ってこの難局を切り抜ける、さらなる努力をお見せください。  次に、教育関係で二点質問いたします。  台東区では、教育委員会のご努力により、区立小・中学校の統合につき基本方針が出されています。基本方針の実施等も含め、今の台東区の教育行政は、教育長の思いどおりに進行しているでしょうか。そして、何よりも区の教育環境及び授業の教育レベルは、区民、父兄の要求に十分こたえているとお考えでしょうか。教育長の自信のほど、思いをお聞かせください。  また、教育環境の整備、教育レベルの競争に効果的で、地域の活性化にもつながると考えられるであろう、私学等の誘致について、何かお考えがありますか。それは区長にお聞きします。  質問の最後は、東京都の新しい推進福祉政策である、障害者地域自立センターについて質問をします。  日常の生活にハンデを負っている障害者の皆様にすれば、行政が決まった場所で定期的に自立支援を行ってくれたら、どんなに心強いことでしょうか。東京都では、人口三十万人につき一施設の「障害者地域自立センター」を設置する予定でありますが、区内に同センターを設置する計画はあるでしょうか、区長にお聞きします。  質問はこれで終わりますが、選挙で選ばれた区長、先輩議員そして同僚議員の皆さん、限られた人生、議会生活の中で、まちと行政の意見調整に我々の労力を払うのではなく、区民の意見をよく聞いて、積極的に政治主導、議会主導の台東区政をつくっていこうではありませんか。政治家である皆さんの心の奥深くにある熱いものを見詰めて、生意気ながら新人議員として訴えさせていただきます。この閉塞感の中で、皆さんの奥底にある熱いものが台東区を大きく変えると信じて、発言を終わります。
     ありがとうございました。(拍手) ○議長(田口治喜 さん) 区長の答弁を求めます。  区長。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 堀越議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、私の行政運営に対する姿勢についてでございます。  まず、最優先施策についてでございます。  長期総合計画に基づき、安心、にぎわい、個性の三つの創造を柱として、社会の変化に対応した施策を重点的に推進してまいりたいと存じます。  次に、区民及び議会の皆様方に対する説明についてでございますが、これまでも同じ内容で行ってまいりました。今後もわかりやすい説明を心がけてまいります。  次に、区民との意見交換についてでございます。  私はさまざまな場面で意見交換は行われていると認識しております。  次に、施設の建設計画に際し、区民の要望を聞くことについてでございます。  公共の施設の建設などを推進する場合には、区民の意見を幅広く聞き、計画を策定しております。  次に、給与と福利厚生についてでございます。  給与につきましては、これまでも特勤手当の見直しや期末勤勉手当の削減を実施してまいりました。今後も人勧制度を尊重しながら、成績主義の観点から、能力や業績に基づく人事・給与制度への転換を図ってまいりたいと考えております。  福利厚生につきましては、職員互助会の抜本的な見直しを行い、来年度からメニューを選択できる方式を導入してまいります。これにより、職員の福利厚生にかかわる経費を大幅に削減してまいります。  次に、私学誘致についてでございます。  区では、学校施設の有効活用の一環として、私立学校に対する暫定的な貸し付けを行ってきたところでございます。議員ご提案の私立学校の誘致につきまして、財産活用のほか、教育やまちづくりなどに有益な施策の一つと考えております。  最後の質問は、障害者の自立支援センターの設置についてでございます。  私は、障害者のより一層の自立と社会参加を促進するため、現在、実施に向けて検討をしているところでございます。  教育問題については、教育長がお答えをいたします。 ○議長(田口治喜 さん) 次に、教育長の答弁を求めます。  教育長。   (番外教育長隈部 孟さん登壇) ◎教育長(隈部孟 さん) 堀越議員の私に対するご質問にお答えをさせていただきます。  施設関係の整備につきましては、毎年学校関係者の意見を酌み入れ、大規模改造工事等を実施してきたところであります。これからも、子供たちが自由で伸び伸びと活用できる学校施設の整備に努めてまいる所存でございます。  次に、学校教育のソフト面につきましては、本区におきましては、オープンスペースの活用や複数の教師によるチームティーチングの積極的な活用、総合的な学習時間の試行等、特色ある教育活動が盛んに実施され、教育指導の充実が図られており、区民のニーズにこたえているものと確信をいたしております。 ○議長(田口治喜 さん) 二十七番藤平一雄さん。   (二十七番藤平一雄さん登壇)(拍手) ◆二十七番(藤平一雄 さん) いよいよ二十世紀あとわずかに迫ってきた第四回定例会最後の議会で、最後の一般質問の機会をいただいたことに対して、改めて皆様方に敬意を表するものでございます。  また、我が区民クラブが標榜しておった環境問題について、大変、理事者の方々並びに飯村区政の中でも、大きく取り上げていただくようになりました。これも本当に飯村区政が順調に、この二十世紀の最後をきれいに飾ろうとしておる暁ではないかと、そんなような思いで質問をさせていただきます。  まず第一点は、二十一世紀の台東区が目指す環境都市について、三点お尋ねをいたします。  その第一点は、台東区と友好姉妹都市を結んでいることが縁で、オーストリアの第一区との提携を機会に、金竜小学校にウィーンの森を建設をして、非常に大きな意義を持ったわけであります。そこに今、下水道局が工事をやっております。この工事があと一年半ぐらいで終了するということで、台東区においては、小・中学校の中でも土地のある学校としては最大級の学校であります。  ここに、今大きな社会問題となっております青少年問題その他も含めて、この跡地には当然ウィーンの森の雰囲気を残しながらも、恐らく復元をする方向であるんではないかと思いますけれども、この貴重なところを、特色ある学校を含めて、自然環境観察園をそこに配置したらどうか。また、小学校では、皆さんも童謡、小学唱歌でいろいろ思い出があるでしょう。どじょっこだとかふなっこ、あるいはカエル、トンボ、チョウチョウと、そういう小動物を配するような自然との調和を求めた、そんなような施設をつくったらどうかと考えますが、教育長の所見をお伺いを申し上げます。  次に、ことしもそうでありましたけれども、大変この夏、熱帯夜が毎晩のように続き、しかも全地球的には温暖化傾向が続いております。特に台東区では、ヒートアイランド現象と申しますか、非常に舗装率が一〇〇パーセント、あるいはこの夏は特に冷房が非常に多く使用されまして、やはりもう大変な暑さを体験したわけであります。  その中で、非常にささやかな経験でありますけれども、この台東区というところは、歴史的にも田んぼが存在しておった区であります。この台東区の歴史的な背景からいたしましても、また自然環境あるいは温暖化現象に対応するためにも、意識改革をすることが必要だと考えております。  そこで、稲作を区民の方々にご理解をいただきながら、あいておるスペースにそういう稲作を、皆様方が協力をしていただくならば、この稲作というのは、結果としては実を期待するものでありますけれども、この夏、水、空気あるいは太陽、そういう自然環境との調和が非常に求められる植物であり、人間文化の原点であるわけであります。そこで、こういうふうな温暖化現象にも対応できる、そういう稲作を皆様方にご協力をいただいて、あいておるスペースに稲作を推進するような、そういう考え方を持ってもいいんではないかと思いますけれども、区長の所見をお伺いしたいと思います。  もう一つは、地球にやさしいクリーンなエネルギーということをよく言われますけれども、今、公園その他では、太陽光発電というものはかなり普及をしております。よく話をいたしますと、この風力発電というものは、風がなきゃ当然回らないという話になってまいりますけれども、この風力発電を区内の施設ということ、あるいは上野公園にしても、風がどうも足らないと。そこで、この研究を皆さんでひとつ大いにしていただいて、太陽光を使ったクリーンなエネルギーによって風車を回すと。そんなようなことで、シンボリックにひとつ研究を進めていただいて、しかも区政が進めるISOの取得に向かって進んでおるわけでありますから、台東区はぜひともこの環境問題に先駆的に、二十一世紀に向かっての活躍のひとつ大きなシンボルにしていただきたいと思いますが、区長はどういうふうに考えておりますか。  第二点目は、台東区の自然の村あわの山荘の活用であります。  これは、昭和五十二年に山村振興法によって、粟野町と、これは社会教育施設として開設をされて、きょうまできております。しかし、この粟野町というところは、大変すばらしい環境を持っております。この環境をやはりこれからも大いに利用をしていただいて、しかも粟野町では温泉を掘り当てております。目と鼻の先に温泉が出ております。まさに二十一世紀のこれからの自然との調和を求める施設としては、重要な役割を持つのではないかと考えております。  しかも、来年には熱海の保養所が廃止になります。こういうようなところを考えますと、区民の方々にも大いにそういう施設を供してもらえるような、そして自然との共生を図った明るい豊かな台東区になるように進めていただきたいことをお願いをいたしまして、質問を終わります。  どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(田口治喜 さん) 区長の答弁を求めます。  区長。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 藤平議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、台東区が目指す環境都市についてでございます。  まず、稲作の推進でございます。  身近にできる温暖化防止対策として、緑化は有効な手段の一つです。区民の皆さん方の協力を得ながら、プランターなどを利用した稲作を含め、身近な緑化の推進に努めてまいります。  次に、風力発電についてでございます。  二十一世紀においては、地球にやさしいエネルギーの実用化に向けた研究開発が重要であると考えております。今後、風力発電など、自然エネルギーの活用について研究してまいりたいと思います。  教育問題につきましては、教育長からお答えをいたします。 ○議長(田口治喜 さん) 次に、教育長の答弁を求めます。  教育長。   (番外教育長隈部 孟さん登壇) ◎教育長(隈部孟 さん) 藤平議員のご質問にお答えをさせていただきます。  まず、金竜小学校についてのご質問でございます。  このたび、都下水道局から、平成十四年七月に工事が完了するので、現状回復の方法について、区側の考え方を示してほしいとの申し出を受けたところでございます。  現在、学校長及びPTA役員等で構成する金竜小シールド委員会を中心に、復元方法の検討をお願いしているところでございます。そこでは、水辺に生態系を、金竜小学校の特色として、子供たちが楽しみながら身近に自然体験、環境学習ができるトンボ、魚などの生物が生息する自然観察園の整備を考えていると聞いております。  今後、金竜小シールド委員会の報告とともに、議員ご提案の内容も参考にしながら、教育委員会として復元計画を策定してまいりたいと存じます。  次に、台東区自然の村あわの山荘の活用についてでございます。  あわの山荘は、自然に親しむ機会の少ない区民の方々に、四季を通じて豊かな自然を楽しんでもらいたいとの考え方で、運動施設を兼ね備えた社会教育施設として、現在利用をしていただいております。  議員もご指摘されたように、本年四月に、山荘に隣接して粟野町立の温泉施設がオープンし、山荘利用者にも粟野町町民と同じ料金で利用できるようになっております。温泉入浴の目的で利用される方々もふえてきております。  今後とも、区民の利用の促進を図るため、一層の施設の周知と整備に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(田口治喜 さん) 以上で一般質問は終了いたしました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(田口治喜 さん) これをもって本日の会議を閉じ、散会いたします。  お疲れさまでした。   午後六時一分散会                           議 長   田 口 治 喜                           議 員   水 島 道 徳                           議 員   関 根 博 之...